日本で相次ぐ24時間営業廃止 ドイツの働き方と比較すると

公開日: 更新日:

 24時間営業の見直しを進める「すかいらーくHD」が傘下のファミリーレストラン「ガスト」「ジョナサン」など約150店の24時間営業を4月までに全廃する。その一方で早朝営業に力を入れる店舗は増えている。

 ◇  ◇  ◇

 深夜に煌々と輝くネオンサイン。日本の経済発展の象徴でもあった「24時間営業」。そのさきがけで、1972年に日本で初めて24時間営業を始めた「すかいらーく」が系列全店舗の24時間営業を4月までに廃止する。

「営業終了時間を何時にするかは、まだ決まっておりません。来客数などのデータから判断することになります」(すかいらーくHD・CEOオフィス担当者)

 拡大路線だったマクドナルドも店舗数の縮小、深夜営業を見直す動きになっている。2012年のピーク時には半分以上の1857店が24時間営業を行っていたが、現在は大幅に減っている。

「昨年9月末の時点で全2902店舗中、786店舗が24時間営業を行っています。今後は消費者のライフスタイルを見ながら、営業時間も最適化を図ってまいります」(日本マクドナルドHD・広報担当者)

 ヤンキー少年や少女のたまり場と、必ずしも長居したい場所ではなかったが、なくなるとなると寂しい気もする。

 この24時間営業廃止の流れはコンビニも同じだ。理由は簡単で、「売れない」からだ。ライフメディアの調査によると、コンビニ利用者の時間帯における「0~6時台」の来店割合は4・6%。これでは店をオープンしていても、人件費や電気代ばかりがかさむ。

 フランチャイズチェーン協会の試算によれば、24時間営業をやめて朝7時から夜11時までの16時間営業にすると、消費電力は最大6%の削減。コンビニ1店舗当たりの年間電気料金は334万円(東京都環境局)だから、年間20万円の電気代が浮く。地球温暖化対策ともなる。また、スーパーマーケットで24時間営業をしている割合はわずか1・3%。やはり来客が見込めないためだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    旧ジャニーズ大物たちが足を引っ張った…秋ドラマ「がっかりランキング」はコレだ!

    旧ジャニーズ大物たちが足を引っ張った…秋ドラマ「がっかりランキング」はコレだ!

  2. 2
    箱根駅伝「山の神」の時代はもう終わり 勝負のポイントが再び平地へ戻ってきた

    箱根駅伝「山の神」の時代はもう終わり 勝負のポイントが再び平地へ戻ってきた

  3. 3
    中日移籍の中田翔 いきなり球団最高年俸「2年6億円」の舞台裏…懸念は故障と向上心の空回り

    中日移籍の中田翔 いきなり球団最高年俸「2年6億円」の舞台裏…懸念は故障と向上心の空回り

  4. 4
    有村架純「どうする家康」ファン感謝祭欠席の裏 松本潤との"静岡デート"報道でNHKが「待った!」

    有村架純「どうする家康」ファン感謝祭欠席の裏 松本潤との"静岡デート"報道でNHKが「待った!」

  5. 5
    麻布台ヒルズが華々しくオープンしたのに…森ビルの財務は窮地の謎解き

    麻布台ヒルズが華々しくオープンしたのに…森ビルの財務は窮地の謎解き

  1. 6
    オリックス1位・横山聖哉 看護師の父は泣きながら茶碗を抱える息子に「心を鬼にした」

    オリックス1位・横山聖哉 看護師の父は泣きながら茶碗を抱える息子に「心を鬼にした」

  2. 7
    山本由伸メジャー移籍先は「3球団に絞られた」と米メディア、年俸総額は2億ドル超え確実

    山本由伸メジャー移籍先は「3球団に絞られた」と米メディア、年俸総額は2億ドル超え確実

  3. 8
    大谷翔平の移籍先最終候補は5球団…そして金満球団(メッツ、Rソックス、レンジャーズ)が消えた理由

    大谷翔平の移籍先最終候補は5球団…そして金満球団(メッツ、Rソックス、レンジャーズ)が消えた理由

  4. 9
    75歳以上の医療費「窓口負担2倍」に…岸田政権が的外れ少子化対策で後期高齢者を狙い撃ち

    75歳以上の医療費「窓口負担2倍」に…岸田政権が的外れ少子化対策で後期高齢者を狙い撃ち

  5. 10
    中田翔自ら“契約破棄”も巨人は痛くもかゆくもなし…阿部新監督が「構想外」を突きつけた

    中田翔自ら“契約破棄”も巨人は痛くもかゆくもなし…阿部新監督が「構想外」を突きつけた