コロナ禍5月終息は誤算 シンガポールで感染100人超の意味
「気温が高くなり湿度も上がる春になれば終息する」――。新型コロナウイルスの感染拡大について、そんな楽観論がある。しかし、世界の感染者は9万人を突破。「高温多湿」の環境下でも感染は広がっている。想像以上にしぶといウイルスなのかもしれない。
◇ ◇ ◇
中国、韓国、イタリアなど、新型コロナの感染国の多くは今、季節が冬の北半球だ。しかし、真夏の南半球でも感染が広がりつつある。オーストラリアでは30人超の感染者が確認されて、ニュージーランドや、南米初となるブラジルでも先月末、感染者が出た。チリとアルゼンチンでも感染が初確認された。
そんな中、気になるのが、赤道直下で高温多湿のシンガポールで感染者が100人を超えていることだ。シンガポールの人口は約560万人。感染密度はかなり高い。今のシンガポールは、気温が26~32度ほどで湿度は80%を超える。日本の初夏のような気候で感染が拡大しているのだ。
ウイルスと気温や湿度の関係について、ハーバード大学院卒で医学博士の左門新氏はこう言う。