コロナワクチン接種 一般人が受けられる時期とやり方は?

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 昨年12月2日に改正予防接種法が成立し、新型コロナウイルスワクチンを臨時接種特例として接種することが決まった。国はワクチンや注射針などの一切合切の費用を持つが、実施主体は市区町村。早くも自治体で大混乱が起きている。

  ◇  ◇  ◇

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 いつも「仮定の質問には答えない」と繰り返す菅首相が、東京五輪開催の現実性を問われると、「2月下旬にも始まるワクチン接種により国民の雰囲気も変わるのではないか」と仮定で答えた。さらに、その根拠が雰囲気だというから信じられない。

 菅首相の希望のワクチンだが、接種を実施するのは市区町村。

 12月に法律が決まったばかりで、小さな村も2月下旬の接種開始までに「医療機関との委託契約」「接種費用の支払い」「住民への接種勧奨」「接種券の作成・郵送」「会場の確保」など膨大な作業をこなさなくてはいけない。

 昨夏に海外製薬会社とワクチン供給の契約を結んでいたのだから、なぜ今頃になってバタバタするのか不思議でならないが、改めてワクチン接種の体制と今後のスケジュールを説明してみよう。

いつから始まるのか

 全国1741の市区町村が手分けして1日100万人に注射しても、全員に行き渡るまでには100日以上かかる計算。現行のワクチンは、臨床試験で2回接種が推奨されているため、さらなる日数を要することになる。

 もっとも、海外では1回接種案も出ているし、接種を希望しない人もいるので、その分だけは早まる。米国では昨年末までに2000万人の接種を予定していたが、実際の接種は供給不足などからその2割にとどまっている。

■どこで注射を受けるのか

 接種は優先順位の上位者から順次行われるが、その前に安全性調査に参加してくれる医療従事者が2月下旬に接種して様子を見る。想定では対象者は1万人ほどだ。

 そして3月中旬からコロナ感染症対応に従事する「医療関係者」「救急隊員」「保健所職員」などの300万人。ここまでは国が定めた接種券を提示する必要はない。

 3月下旬以降になって、ようやく「65歳以上の高齢者」3000万~4000万人への接種が始まる。その後は「基礎疾患を有する者」「介護従事者」「60~64歳」「その他」の順番で回ってくる。現時点では、16歳未満へは接種しない方針が出ている。

「接種には接種券が必要で、3月1日から12日まで郵送で届きます。それ以外の人は4月中に発送できる準備を整えます」(厚労省健康局)

 接種は原則、住民票がある自治体で行う。例外は老人ホームや病院の入所者、受刑者らで、単身赴任者や里帰り出産の妊産婦は改めて申請が必要になる。

 人口約11万8000人を有する福島県会津若松市健康増進課の担当者がこう言う。

「場所は病院のほか、体育館など集団接種の会場を選定中です。3密にならないよう国から公共施設を使うよう言われていますし、午前中や土日などに住民が殺到するのを避ける意味でも接種日はおそらく、日時を指定する形になるかと思います。いずれにせよ、現段階ではワクチン注射をしてくれる医師や看護師を確保するメドも立っていない状況です」

 イギリスではサッカー場や競馬場を臨時接種会場としている。同市には75歳以上だけでも約1万9000人がいて、交通手段のない人をどう会場へ連れて来るかだけでも悩ましい。接種当日は医師が体調不良がないか問診。さらに副反応の説明と同意書も必要で、ベルトコンベヤー式の流れ作業では進まないという。

 なお、ワクチンを打つ側がファイザー、アストラゼネカ、モデルナなどのメーカーを指定することはできない。ファイザー社製のワクチンを保管するマイナス75度用超低温冷凍庫3000台、モデルナ社製のマイナス20度用冷凍庫7500台は国が3月までに確保する予定だ。

■費用はいくらか

 接種費用は全額、国の負担となる。注射代の単価は1回目、2回目ともに2070円。他にワクチン代は別途で国が支払う。

 今回のコロナワクチンは臨時接種のため、接種勧奨という努力義務。集団免疫を得るには多くの人の接種が必要だが、強制ではない。

「変異種も確認されており、ワクチンの効果がどれほど持続するかは未知数。季節性インフルエンザワクチンと同様、毎年接種する形になれば、費用は全額補助にならない可能性もある」(厚労省関係者)

 次回は自腹だ。

副反応が出たら

 予防接種には「健康被害救済制度」がある。

「予防接種法に基づいた接種で健康被害が生じた場合、厚労大臣が認定し、市町村により給付が行われます。臨時接種による健康被害の給付は、程度に応じて医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があります」(東大和市担当者)

 具体的には、医療費は健康保険の自己負担分は無料になる。医療手当は3日未満の通院で月額3万5000円、3日以上通院で3万7000円、入院は8日未満で3万5000円、8日以上で3万7000円、入通院の両方なら3万7000円といった具合だ。また、障害年金は年額505万6800円(1級)、死亡は4420万円の一時金、そして葬祭料20万9000円が出る。

「通院3日未満でも医療手当は出ますが、疾病・障害認定審査会の意見聴取・審査を経て、予防接種によるものと認定されたら給付を受けることができます。申請方法などご不明な点については、保健センターへお問い合わせください」(前出の東大和市担当者)

 結論から言うと、ハードルは高そうだ。

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