接種で不妊や睾丸縮小が?コロナ“ワクチン怪情報”に要注意
イギリスやカナダに続き、アメリカもワクチン接種に乗り出す。米食品医薬品局(FDA)は11日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの緊急使用許可を承認。14日にも、医療従事者や介護施設の入居者から優先的に接種を始める見通しだ。先進国を中心にワクチン接種が本格化し始める中、“怪情報”に要注意である。
一般的に開発まで5~10年を要するワクチン。ただでさえ安全性を不安視する声が後を絶たないのに、接種リスクをあおる怪情報がネット上で拡散されているから厄介だ。欧米では不妊、生殖器へのダメージが取り沙汰されているという。国際政治経済学者の浜田和幸氏がこう解説する。
「ファイザー社製のワクチンが不妊や睾丸縮小につながるという内容です。英国に本社を置く多国籍製薬企業GSKの内部告発として、ファイザー社のワクチンと同成分のワクチンを接種した女性63人のうち61人に不妊の症状が、男性には睾丸の縮小が認められた、と米国のトーク番組で紹介されたのです。その動画が拡散し、波紋を広げています」
オーストラリアの反ワクチン団体もフェイスブックに動画をアップ。しかし、ファクトチェックしたオーストラリア国営通信やロイター通信によると、告発内容の根拠として引用された論文は31年前のもので、コロナワクチンとは無関係。ワクチン接種が不妊や睾丸縮小につながるとの主張は「誤り」だという。