【カリフラワーのピリ辛ガーリック風味】シンプルな味付けで甘味が引き立つ
中国菜 香味(大阪・西天満)
「中国・重慶に行った時、地元の店で出てきました。重慶は、中国全土の中でも比較的味付けが辛い地域です。ニンニクと唐辛子、塩、醤油で炒めるだけというものすごくシンプルな味付けでしたが、ニンニクの香りと唐辛子のピリ辛さがカリフラワーの甘味を引き出し、それがダイレクトに伝わってきました」
カリフラワーといえば、湯がくか、何かに添えられた料理しか思い付かない。特にこれといった特徴もなく、脇役に過ぎないが……。
「それまで湯がくものだと思っていたので、積極的に料理に使うことはありませんでしたが、中国で食べたのをきっかけに店でも出すようになりました。シンプルな味付けですが、醤油で香りづけすることで、ひとつの料理として成立します。食感もしっとりしていて、口の中に入れてもバラバラ感がなかった」
余計な調味料を入れないことで、逆にカリフラワーが本来持つ甘さが引き立つ。作り方もただ炒めるだけと調理もチョー簡単。地味な存在のカリフラワーが、こんなにおいしいとは思わなかった。
《材料》
・カリフラワー 150グラム
・ニラ 3分の1束
・鷹の爪 3本
・ニンニクのみじん切り
(チューブでも可)少量
・パプリカ 赤&黄 各10グラム
(味付け用)
・塩 1つまみ
・醤油 小さじ1
《作り方》
(1)カリフラワーは茎部分でサイズを1センチに合わせて切り、ニラは2センチ、パプリカは1センチにスライス。
(2)鷹の爪は半分にカットし、種を取る。
(3)フライパンに大さじ2杯の油を入れる。まだ火はつけない。
(4)ニンニクと鷹の爪を入れ、弱火で炒める。香りが出てきたら、中火に。
(5)カリフラワーを入れ、火が通り始めたら、ニラとパプリカ、塩、醤油を加える。
▽矢谷幸生(やたに・ゆきお)
大阪府松原市出身。
「カチン、カチン」
子供の頃、中華鍋とお玉が当たる音に憧れ、小学校4年の時、「将来の夢は」という欄に「調理師」と書いた。辻調理師専門学校卒業後、在学中に講師を務めていた千葉県柏市の老舗中華店「知味斎」の料理長にその意欲と熱心さを買われ、9年間、修業を積んだ。32歳で店を始め、今年13年目を迎えた。
▽中国菜 香味(シャンウェイ)
2020年、21年と2年連続ミシュランのビブグルマンに輝き、リーズナブルでこだわりの料理の数々が味わえる。常に新しい味を求め続けるオーナー兼シェフの矢谷さんは、オープン以来、毎年4、5回、わざわざ休暇を取って北京や上海、四川省、香港などに買い付けに行っている。山積みにされた数種類の唐辛子や山椒を味見し、どんな料理に合うかを考え、納得したものだけを仕入れるというのだから探求心旺盛だ。店の名前は「知味斎」の「味」と、同店で一緒に修業した先輩が経営する四川料理店「飄香」の「香」から取った。「飄香」は現在、銀座三越など東京で3店舗を展開する有名店だ。
大阪府大阪市北区西天満3―6―15
℡06・6364・2980
日曜定休