石川 富山 福井で「北陸の美しい伝統文化」を体験

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 最も北陸らしさを感じられるのは、分厚い雲に覆われた寒い季節だ。今年は雪の量が多く、新型コロナも猛威を振るっているが、事態が落ち着くのを待って、北陸3県の美しい文化の体験に出掛けよう。

 ◇  ◇  ◇

 昨年10月、皇居の北の丸公園にあった東京国立近代美術館工芸館が金沢市に移転し、「国立工芸館」(℡050・5541・8600)としてオープンした。金沢城公園や兼六園とは目と鼻の先、「金沢21世紀美術館」からも歩いて行けるので、セットで鑑賞することもできる。

専属スタッフのアドバイスで金箔体験

 淡い緑と白の落ち着いたコントラストが印象的な建物は、明治期に建築した旧陸軍の2つの施設を移築し復元したもの。大きな陶芸のオブジェに出迎えられて館内に歩を進めると、そこは驚きの美の空間。金沢市出身の漆芸家で人間国宝の松田権六や北大路魯山人、金工家の鈴木長吉ら日本を代表する匠たちによる手仕事の数々に圧倒される。

 金沢市は金箔生産の国内シェアが99%とほぼ独占しており、周辺では金箔を使う漆器や仏壇などの製造も盛んだ。金箔メーカーの「かなざわカタニ」(℡076・231・1566)では、弁当箱や器に金箔を貼る体験ができる。1万分の1ミリという極薄の金箔は、雑に扱えば簡単に破れてしまう。ただし専属スタッフのアドバイスを聞きながら、型抜きシールを使って貼っていくと、思ったより簡単。1時間もあればオリジナル工芸品が完成だ。

菓子木型を使った和菓子づくりを体験

 金沢からバスで1時間、金沢を拠点にした日帰り旅で訪れる人も多いのが「越中の小京都」と呼ばれる城端(富山県南砺市)である。

 真宗大谷派「善徳寺」の門前町として栄えたところで、世界遺産「五箇山」も近い。豪華絢爛な山車が古い街並みを巡る「城端曳山祭」はユネスコの無形文化遺産。和菓子づくりの歴史もあり、「田村萬盛堂」(℡0763・62・0124)は寛政年間の創業だ。

 こちらでは菓子木型を使った和菓子づくりと茶道の体験(予約は南砺市観光協会=℡0763・62・1201)ができる。

オリジナル漆器づくりに挑戦

 福井県鯖江市は1500年の歴史を誇る越前漆器の産地。

「うるしの里会館」(℡0778・65・2727)では、オリジナルの漆器づくりにチャレンジできる。指導してくれるのは越前漆器の職人さん。

 最も手軽に楽しめるのは絵付け体験で、草花や生き物、キャラクターなどから下絵を選び、絵筆で色をつけていけばいい。カシューナッツの殻を使った塗料を使うので、かぶれる心配も無用。出来上がった器は当日に持ち帰れる。

グッドデザイン賞受賞の美しい刃物

 越前には南北朝時代から700年続く打刃物の伝統もある。

 その技術を受け継ぎ、国内外で高い評価を受けているのが「龍泉刃物」(℡0778・23・3552)だ。何層にも積み重ねられた鋼材を手作業でたたき磨き上げた証しとして、その刀身には一本一本違った美しい模様が浮かび上がる。

 切れ味と芸術性を両立させた包丁やナイフは、複数のブランドでグッドデザイン賞を受賞、多くのホテルやレストランで採用されている。こちらでも包丁の研ぎ体験のほか、オリジナルの一本をつくることができる。

 どの体験も事前に予約が必要だ。

ズワイ、香箱、ベニズワイをのせた豪華御膳

 繊細な味わいのズワイ、みずみずしいベニズワイ、それと甲羅の内外に卵を持った香箱(メスのズワイ)。どれも北陸の冬を代表するうまいカニだ。

 JR加賀温泉駅前にある「くいもん家ふるさと加賀本店」(℡0761・73・1135)では、その3種のカニをふんだんに使った「百万石カニ加賀飯」を食べられる。特注の木の器に盛り付けられたぜいたくな御膳で泡醤油を垂らして食べるのだが、どこから食べ進めてもすべてカニ! 限定5食で5500円と安くはないが、それも納得の極上のうまさだ。

 同店も含めた加賀市の5つの料理屋では、橋立漁港で水揚げされた香箱ガニを丸々一匹使った「加賀カニごはん」(2500円)も提供している。内容は店によって違うので、食べ比べてみるのも楽しい。

金賞受賞のクラフトビール

 北陸は水もうまい。だから酒もうまい。

 富山県黒部市では名水百選にも選ばれた「黒部川扇状地湧水群」の水と地元産の大麦を使ったクラフトビールが造られている。道の駅も併設した「宇奈月麦酒館」(℡0765・65・2277)の「宇奈月ビール」がそれで、本場ドイツから醸造責任者を招き、試行錯誤の末に完成させた。黄金色の「十字峡」、琥珀色の「トロッコ」、濃赤黒色の「カモシカ」の3ブランドがあり、いずれも世界で3番目の歴史を持つビール審査会で金賞などに輝いている。工場見学に試飲、買い物券などがセットになったプラン(7日前までに要予約)も人気だ。

(取材・文=二口隆光/日刊ゲンダイ)

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