長崎県・壱岐は“神宿る島”丸ごとパワースポットとして注目

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 玄界灘に浮かぶ長崎県の壱岐は、「魏志倭人伝」や「日本書紀」にも登場する歴史の島だ。大陸への足がかりとして古代から人々が往来し、日本を守る砦としても機能していた。海上航行の安全や国家の安寧、さらには厄よけ、豊穣、商売繁盛を願って、島には数多くの神社や祠が建てられている。丸ごとパワースポットとして注目される神宿る島を訪れた。

 ◇  ◇  ◇

■神秘の力が宿る月讀神社

 壱岐は南北17キロ、東西15キロで、面積は琵琶湖の5分の1程度と決して大きくはない。だが、神社の密度は日本一だ。神社本庁に登録されている神社だけで150社、そのほかの神社や祠も入れると1000社に上り、道路の脇や店舗の中など、いたるところに神が祭られている。

 そのひとつが、島のほぼ中央に位置する「月讀神社」(℡0920・45・4145)。全国の月讀神社の元宮とされている。

 大和の時代(487年)、この地の月讀神のお告げによって京都に分霊され、そこから全国に壱岐の古神道が広がったという。

 月を読むということは太陰暦の暦を読むことで、月の満ち引きは潮の満ち引きと関係する。そこから出産や農業、さらには商売繁盛の御利益があるそうだ。

 この神社には、もうひとつ注目の場所がある。

「社の左手の奥に、パワーを感じさせる場所があり、霊感をお持ちの方はお参りをしているときに必ず、その力に気づくようです。現在、その場所には石を積み、神様として祭っています」(宮司の榊原伸さん)

 訪れた際は忘れずに手を合わせたい。

700年の歴史を持つ壱岐神楽

 島の中央部を流れる幡鉾川の流域には大阪、下関、福岡の住吉神社と並び「日本4大住吉」と称される「住吉神社」(℡0920・45・3002)がある。壱岐の神社の中では最も格式が高く、毎年12月には島内の全宮司が集まり、国の重要無形民俗文化財である「壱岐神楽」の大大神楽が奉納されている。

「壱岐神楽は700年の歴史があり、ほかの地方の神楽と違って、すべて神職だけで執り行う神事になります」(禰宜の川久保貴司さん)

 澄んだ笛の音色と軽やかな太鼓のリズムに合わせた舞は、すべて畳2畳の中で行われるが、両手に盆を持って前転する曲芸的な曲目もあり、見る者を飽きさせない。

壱岐のモンサンミッシェル

 島の東側にある内海湾には、一風変わった神社がある。干潮時の前後、数時間だけ陸地から歩いて参拝できる「小島神社」だ。そのほかの時間帯は海に浮かぶため、神に会えるかどうかは潮の満ち引き次第。フランスの世界遺産と似ているため「壱岐のモンサンミッシェル」とも呼ばれている。

「塞神社」は拝殿横の男性シンボルが力強い。裸踊りで天照大神を天の岩屋戸から誘い出した天鈿女命が猿田彦命と結ばれて一体となった猿女命が祭られていて、良縁や夫婦和合の御利益があるそうだ。

エメラルドの海と造形美

 島の最北端の勝本港から船で渡る「辰ノ島」は、透き通ったエメラルドの美しい海が見られる人気のスポットだ。夏は海水浴客でにぎわうが、ほかの季節も周遊クルーズ船で、玄界灘の荒波に削られた岩穴や断崖といった自然の造形美を堪能できる。この日は半畳ほどの岩の上でぽつんと釣りを楽しむ人の姿もあった。

(問)勝本漁協観光案内所 ℡0920・42・2020

天然のプールでイルカと触れ合う

「壱岐イルカパーク&リゾート」(℡0920・42・0759)は勝本港近くの入り江を仕切った天然のプールで、イルカに触れてエサをあげられる体験プログラムを用意している。

 プールの目の前に泊まる「ドルフィン・パーク・キャンプ」も人気だ。

 壱岐は食も充実している。ぐるりと囲む海に加え、県内で2番目の広い平野が大地の恵みをもたらす。自給自足も可能な島だ。

うま味が強い「長寿牡蠣」

「カキハウス 内海湾」(℡090・8417・5222)では自前の「長寿牡蠣」をたらふく食べられる。山から湾内に流れ込んだ豊富なミネラルを取り込んだ牡蠣で、うま味が強く味が濃い。その上、1盛り(10個前後)で1000円とコスパも驚異的だ。「125歳まで生きる」と豪語するオーナーの山本寿一さんは、もともと真珠の養殖を営んできた。牡蠣に取り組んだのは7年前。

「1月までは真珠を取ったアコヤガイの貝柱も食べられます」

和牛のオリンピック”で日本一を獲得した壱岐牛100%のハンバーガーは、「モカジャバカフェ大久保本店」(℡0920・42・0500)で。ボリュームがあり、しょうが風味のソースとの相性もバッチリだ。

 鶏ガラのダシで鶏肉と野菜を煮込み、茹でたそうめんで締める鍋料理「ひきとおし」は「西岡屋旅館」(℡0920・47・0025)。地元で陸上養殖されているうま味が強いブランドふぐ「壱岐七ふく神」は「宝来荘」(℡0920・44・5306)などで食べられる。

(取材・文=二口隆光/日刊ゲンダイ)  

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