国立感染研“ワクチン弱体化”を報告…「逃避変異」蔓延か
新型コロナウイルスのゲノム解析を手掛ける国立感染症研究所から衝撃の報告が飛び出した。15日に「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS―CoV―2)の新規変異株について(第6報)」と題した報告書を発表。ようやく接種が始まったワクチンの効力を弱体化する「スーパー変異株」が日本国内で蔓延している可能性を指摘した。
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報告書が取り上げたのは、南アフリカ由来の変異株で最初に確認された「逃避変異」(E484K変異)。英国やブラジル由来の変異株でも確認されている。逃避変異には免疫反応を低下させる特徴がある。
その脅威を物語るのが、集団免疫を獲得したといわれていたブラジル・アマゾナス州の州都マナウスでの感染再拡大だ。昨年12月にマナウスの患者から検出された逃避変異株は42%だったのに、翌1月には85・4%まで跳ね上がった。
逃避変異株が従来型の抗体をスリ抜け、再び感染させたためだとみられている。