菅政権の自治体イジメ 高齢者ワクチン「7月末完了」で拍車

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「自治体の抱える問題を一緒に解決していくのは間違ったことではない」――。高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種の前倒しを巡り、総務省幹部が自治体に“圧力電話”をかけた問題で、そう言い訳したのは武田総務相だ。17日の参院決算委員会で釈明したが、菅政権による自治体イジメは目に余る。

 武田総務相は決算委で「決して圧力を加えたことはない」「そう捉えられたとするなら、きちんと訂正しないといけない」とも強調。「じゃれていただけで、イジメじゃない」という、イジメっ子の常套句と同じだ。自治体はただでさえ、菅首相が高齢者接種を「7月末に終える」とブチ上げたせいでテンヤワンヤなのに、さらにハッパをかけられるとは大迷惑でしかない。

 菅首相の「天領」と言われる総務省は、そんなことお構いなしだ。

「新型コロナワクチン接種地方支援本部」を立ち上げ、その説明資料に〈早期接種に向け強く働きかけを実施する〉と明記するほどの気合の入れようである。17日の野党ヒアリングでは、担当者が「(7月末完了の)方針に向け、自治体に課題を聞き取り、その解決に国を挙げて取り組む」と繰り返した。

「重点措置」の要請はガン無視

 度し難いのは、菅政権が「協力」を装いながら自治体のケツを叩く一方、現場の声はガン無視していることだ。

「まん延防止等重点措置」の適用を見送られた茨城県が17日、政府に再び要請。対象地域に加えてもらえなかった自治体は、福島、徳島、香川、長崎を含め5県に上る。緊急事態宣言についても、岐阜が17日適用を求め、沖縄がきょうにも要請する。

 茨城の再要請に、加藤官房長官は17日の会見で「速やかに検討を行う」と明言したものの、前回見送った判断が適切かどうかについては「引き続き、しっかりと検討を進めていきたい」とはぐらかした。自治体と“協力関係”にあるはずなのに、何とも塩対応である。ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。

「地方に任せると言いながら、結局は政府が権限と予算を握っている中央集権の弊害が根本的な問題です。本来、政府が現場の声を吸い上げ、フィードバックしなければならないのに、『司令塔』を一本化していないから、指示される自治体は混乱してしまう。政府がやるべきは締め上げではなく、フォローです」

 自治体泣かせの政権に、国民の暮らしを守れるはずがない。

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