五輪期間中は都民の「東京脱出」が本格化 喧騒とウイルスから逃れる計画を立ててみる

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 コロナ禍で強行される東京五輪・パラリンピックに対して首都圏はもとより、日本全体にしらけムードが漂っている。そんな中、緊急事態宣言や五輪の喧騒を逃れたい東京都民の間で「東京脱出」が本格化する動きがある。

  ◇  ◇  ◇

 都民にとっては4回目となる緊急事態宣言(8月22日まで)。宣言慣れで自粛要請を守らない人が多くなっているが、今回の緊急事態宣言はオリンピックの交通規制や渋滞などとも相まって、過去のものより不便さが強まっている。

■「日中も含めた不要不急の外出移動の自粛」を都民に要請

 東京都は今年2月に施行した新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条第1項を盾に「日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛」を要請中。具体的な中身としては「不要不急の帰省や旅行、感染拡大地域への移動を極力控えること」「公園等における集団での飲酒の自粛」「感染対策が徹底されていない飲食店等、休業要請・時短要請に応じていない飲食店等の利用を厳に控える」などとしている。

 違反者に対する罰則こそないが、分かりやすく言うと、オリンピックが終わるまで自宅に引きこもってテレビでも見ておけということだろう。

 事業者の締め付けはより一層厳しい。休業命令などに従わなかった場合は罰則も検討しており、早速、“見せしめ”として2月の緊急事態宣言時に営業していた飲食店4店舗に裁判所が25万円の過料を科していたことを東京都が発表した。この効果もあってか、夏休み中の書き入れ時にもかかわらず、「東京サマーランド」「よみうりランド」などのテーマパーク・遊園地は軒並み20時(イベント開催時は21時)までにきっちり営業短縮。「湯処葛西」「東京お台場大江戸温泉物語」は酒類提供をやめ、最終入館は19時。前回宣言時はお目こぼしのあった結婚式場もノンアルコールでがんばっている。もちろん、ショッピングセンターや百貨店、映画館も同特措法24条第9項の縛りがあるので20時までで閉めざるを得ない。

 事業者が休業したり営業を短縮するということは、すなわち暮らす人にとっては不便。そのため、夏休みと重なる五輪期間中に「東京脱出を考えている人が増えています」と、トラベルジャーナリストの渡辺輝乃氏がこう続ける。

「競技会場近くに暮らす知人は、外国人選手やスタッフの相次ぐ行動制限違反に呆れ、『ここにはいたくない』と東京脱出を計画しています。無観客とはいえ、混雑する場所もあり、静かなところで夏を過ごしたいという都民は多いのではないでしょうか」

ANAのお盆予約状況は昨年の2~3倍

 しかも今夏は、五輪開会式前後の4連休(7月22~25日)と閉会式前後の3連休(8月7~9日)の山があり、ワクチン接種済みの人なら特に旅行にも行きやすい。

 2019年の「楽天トラベル」の調査では、五輪期間中に東京から宿泊を伴う旅行を検討していた都民は、コロナに関係なく前年比で2.4倍もいた。この傾向は今も変わらず、航空各社の夏の予約状況を見ると、ANAの7月22~25日の4連休が昨年の2倍(昨年も祝日移動で4連休)、お盆が2~3倍、JALも7月は昨年の1.15倍となっている。

 旅行代理店も生き残りに必死。HISはスーパーサマーセールを開催中。「沖縄北谷2泊3日/レンタカー付き」(成田発・2万6800円~)、「北海道トマム&旭川2泊3日」(羽田発・4万3800円~)など魅力的なプランがズラリと並ぶ。8月1日までに2回目の予約を申し込めば、さらに3000円の割引クーポンがもらえる。

 JTBも「夏の旅行 応援キャンペーン」中で、7月20日までの予約でポイント5倍などのサービスがある。各社とも、いつもの夏に比べて明らかにツアー料金が安くなっている。

「宿泊施設や飲食も含め旅行業界はとにかく苦しい経営が続いており、何とか応援したいという気持ちを持った人は多い。政府は『何がなんでも動くな』という姿勢ですが、暑い夏に自宅にこもりっきりの子供はいたたまれません。帰省もそうですが、私も2年以上も郷里に帰れないでいます」(渡辺氏)

 もちろん、他県への不要不急の人流はなるべく抑えたいところだが、ワクチン接種済みや陰性が判明している人は、混雑する場所や時間を避けられる観光地であれば問題は少ないだろう。旅行予約サイト「じゃらん」で「軽井沢・佐久・小諸」の7月22日の宿泊分(大人2人)を検索すると、約170件のホテル・旅館がヒット。同日の「那須・板室」は約190件、京都は「駅前」だけでも約290件が予約可能だ(7月14日時点)。

都内のホテルもガラガラ

 さらに、あえて都内にとどまる選択もある。

「いま、都内のホテルの部屋がキャンセル分で余っているのです」(旅行予約サイト関係者)

 キャンセル分とは、もちろん大会関係者やスポンサーが泊まるはずだった部屋のこと。五輪が通常通り開催されていれば、普段の4~5倍の宿泊料が取られていた。

 だが、日刊ゲンダイが2019年12月に報じた「1泊45万円の民泊」「1泊512万8000円の古民家」といった五輪特需の宿泊施設は今や皆無で、ブッキングドットコムを見ても宿泊料は値下がり中。連休中だろうが、お盆シーズンだろうが、空きも十分に見つかる。

 またプリンスホテルズ&リゾーツの約款を例に取ると、キャンセル料は一般が前日、団体(99人まで)は9日前からかかってくるので、これから部屋がより取りやすい状況になってくるかもしれない。

 東京のホテルにロングステイしてゲーム三昧してみたり、旅行や帰省で短期間の東京脱出もいいかもしれない。

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