「岸田カラー」に野党案のパクリ疑惑!学生への給付金、無料PCR検査ともにグズグズしていただけ

公開日: 更新日:

 第2次岸田内閣が11日、本格始動した。

 岸田首相は19日に取りまとめる経済対策に関し、公明党と合意した「18歳以下への10万円相当の支給」に加え、「コロナ禍で厳しい経済状況にある学生に対しても10万円の緊急給付金を支給する」意向を表明。12日に公表されるコロナ対応をめぐっては、12月から3回目のワクチン接種を始めることや、無症状者のPCR検査と抗原検査を無料で実施する方針も示す見通しだ。

【写真】この記事の関連写真を見る(35枚)

■「岸田カラーの政策」

 テレビのワイドショーなどでは「スピード感重視の岸田内閣」などと評する声も出ているが、よくよく考えてみれば、打ち出された政策はどれも見たことがある内容ではないか。

 例えば自公協議で合意に至った――と大きく報じられた現金支給も、元はと言えば、安倍・菅政権の時代から野党側がコロナ対策として早期実施を強く求めてきた策だ。無症状者のPCR検査の無料実施についても、野党は東京・世田谷区が昨年実施した「世田谷モデル」を例に挙げつつ、全国規模での導入を求めてきたもの。岸田首相が意欲をみせた「学生に対する10万円の緊急給付金」についても、立憲、国民、共産、社民の4党は昨年5月、コロナの影響で経済的に困窮する学生らの支援を目的として、「授業料の半額免除」や「上限20万円の一時金支給」を柱とする独自法案を国会に提出している。

野党案のパクリ

 いずれの野党提案も与党側が拒否し、実現してこなかった政策ばかり。それが岸田政権になった途端、どんどん「岸田カラーの政策」として打ち出されているわけで、これでは、ネット上で<岸田政権、そりゃ、スピード感出るよ。だって、野党が去年から独自法案出しているもの><岸田カラーって野党案のパクリ!><なんでもっと早くやらなかったの?>といった声が出るのも無理はないだろう。

 一部メディアは衆院選後、野党は批判ばかりだから選挙に負けた――などと報じていたが、野党は批判だけでなく建設的な提案もしていたのだ。「批判ばかり」と報じているメディアは一体何を取材していたのか。

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1
    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

  2. 2
    岸田政権「辞任ドミノ」再来も…加藤鮎子・小渕優子・土屋品子3氏に醜聞続出、“第1号”は誰?

    岸田政権「辞任ドミノ」再来も…加藤鮎子・小渕優子・土屋品子3氏に醜聞続出、“第1号”は誰?

  3. 3
    杉田水脈議員ついに崖っぷち…アイヌ侮蔑で「人権侵犯」認定、“ただの人”への秒読み開始

    杉田水脈議員ついに崖っぷち…アイヌ侮蔑で「人権侵犯」認定、“ただの人”への秒読み開始

  4. 4
    杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先

    杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先

  5. 5
    録音はあなたの身を守る…奈良県警本部による巡査長への違法取り調べ裁判の教訓

    録音はあなたの身を守る…奈良県警本部による巡査長への違法取り調べ裁判の教訓

  1. 6
    維新“吉村ブランド”に陰り…池下卓議員秘書「二重報酬」のグダグダ対応で党内からブーイング

    維新“吉村ブランド”に陰り…池下卓議員秘書「二重報酬」のグダグダ対応で党内からブーイング

  2. 7
    文化庁トップの都倉俊一長官まで旧統一教会とずぶずぶ…まさかの黒歴史「記憶が定かではない」で済むのか

    文化庁トップの都倉俊一長官まで旧統一教会とずぶずぶ…まさかの黒歴史「記憶が定かではない」で済むのか

  3. 8
    慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所?

    慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所?

  4. 9
    マイナ保険証のすさまじい嫌われぶり…全国利用率が5%割れ目前、今後どこまで下がるのか

    マイナ保険証のすさまじい嫌われぶり…全国利用率が5%割れ目前、今後どこまで下がるのか

  5. 10
    東京・大塚「日本最古のバッティングセンター」が閉店…本物の昭和レトロが消滅危機

    東京・大塚「日本最古のバッティングセンター」が閉店…本物の昭和レトロが消滅危機

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

  2. 2
    ジャニー氏の庇護を受けてきた東山紀之の“裏の顔” 超人気女優との"同棲"も事務所パワーで握り潰す

    ジャニー氏の庇護を受けてきた東山紀之の“裏の顔” 超人気女優との"同棲"も事務所パワーで握り潰す

  3. 3
    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

  4. 4
    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

  5. 5
    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

  1. 6
    U18台湾エース孫易磊を日本ハム獲得! メジャー、巨人、ソフトBとの争奪戦を制したワケ

    U18台湾エース孫易磊を日本ハム獲得! メジャー、巨人、ソフトBとの争奪戦を制したワケ

  2. 7
    マッチがジャニーズ性加害問題“暴露”予告…“薄っぺらい退所”批判の東山紀之に特大ブーメランか

    マッチがジャニーズ性加害問題“暴露”予告…“薄っぺらい退所”批判の東山紀之に特大ブーメランか

  3. 8
    勝みなみ、西村優菜、渋野日向子…帰国中の女子海外組「シード当落線上」プロの胸中

    勝みなみ、西村優菜、渋野日向子…帰国中の女子海外組「シード当落線上」プロの胸中

  4. 9
    大野智が描いたのか? インスタ投稿の“ダークな抽象画”に「香取慎吾のと一緒!」の声が噴出

    大野智が描いたのか? インスタ投稿の“ダークな抽象画”に「香取慎吾のと一緒!」の声が噴出

  5. 10
    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」

    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」