庶民の味方「立ち食いそば」安くてウマいはもう望めない? 原材料高で値上げラッシュ
昨年、「すき家」「吉野家」「松屋」、大手3社の牛丼の値上げが大きく報じられた。
輸入牛肉の高騰や円安による仕入れ価格、人手不足による人件費などの上昇に耐えきれなくなった格好だ。
原材料価格の高騰は、牛肉だけではない。サラリーマンの味方、立ち食いそば店でも、そば粉やつなぎに使う小麦粉のほか、天ぷら油、鰹節や昆布、醤油などの価格上昇によって、値上げラッシュが続いている。
立ち食いそばチェーン「名代富士そば」では、1月5日から麺類、ご飯ものを中心に30円値上げした(タイムサービス品などは値段据え置き)。「ゆで太郎」「小諸そば」といったチェーンも値上げを実施。だいたい1割程度値上げしているところが多いという。
立ち食いそば店の事情に詳しいライターの本橋隆司さんによると、この値上げは一時的なものではなく、常態化していく可能性が高いという。
「400円台前半だったかき揚げそばも、400円台後半の店がほとんどになりました。最も大きいのが、中国でそばを作っていた農家が補助金の出る大豆やトウモロコシの栽培に移行していることによる中国産そば粉の生産減です。生産量や価格的に国産のそば粉がその代わりにならないため、この流れは止まらないとみられています」