【サワラのアラの炊き込みご飯】400円足らずで数日間、旬のうまみを堪能
サワラは魚ヘンに春と書く。旬は春といわれるものの、最も脂が乗ってうまいのは冬、つまりはいまの時季だ。
切り身は1切れ500円くらいするし、どうせならアラを使って炊き込みご飯にしたいと思い、デパート地下の鮮魚売り場に足を運んだ。午後3時ごろに出掛けたが、アラは養殖のタイが1つ残っているだけで他は売り切れ。安くてうまいから人気なのだ。
なんとか敵討ちをしたいと、翌日は開店直後の10時半ごろに行くと、あるわあるわ、ショーケースに魚のアラがてんこ盛り。タイやブリは天然と養殖がズラリと並んでいるし、お目当てのサワラは底の方に。アラがタップリと詰まって、1パック398円。その安さにオドロイタが、帰宅して中身を取り出して2度ビックリ。カマが4つに切れ端が3つも入っていたからだ。
そのうちのカマ2つを炊き込みご飯にした。土鍋で炊こうとも考えたものの、メシを焦がしたら台無し。塩をしてグリルでさっと焼いてから炊飯器で炊き上げると、出来上がりにまたまた仰天した。
身は箸で持つとちぎれてしまうくらいフカフカで軟らかく、そのまま食べてもイケると思ったけれど、グッと我慢。骨を取り除き、身をほぐしてから、ざっくりとまぜたメシのおいしかったこと。身からにじみ出たサワラのうま味がメシにしみ込んでいるのだろう。思わずおかわり。残りはラップでくるんで冷凍。翌日はカマと切り身の塩焼きをおかずにして、連日の炊き込みご飯といったあんばい。旬の魚のアラで、数日間の食卓が実に充実した。
サワラはこの時季、イワシやイカナゴはもちろん、サンマを食べることもあるという。春からの産卵に備えて栄養を蓄えているだけに、脂も乗るし、味もよいわけだ。
(日刊ゲンダイ編集部)
【材料】
・サワラのカマ…2つ
・米…2合
・水…適量
・油揚げ、ショウガ…少量を千切り
・昆布…1切れ
・酒…大さじ1
・薄口醤油…大さじ1
・塩…適量
【作り方】
(1)カマに軽く塩をしてグリルでさっと焼く。外側だけ火を通すイメージ。
(2)米を洗って規定の水を炊飯器にセットしたら、焼いたカマとショウガと油揚げ(写真①)、それに昆布、酒、薄口醤油、塩を入れて炊く。
(3)メシが炊き上がったら(写真②)、カマを取り出して骨を除き、身を炊飯器に戻す。ざっくりとまぜたら出来上がり。彩りにセリとユズをあしらった。