21歳の女子芸大生も被害「着衣着火」の恐怖…燃えやすい衣類素材と引火時の対処法
昨年12月22日、栃木県宇都宮市にある文星芸術大学で痛ましい死亡事故が起こった。課題の立体作品を作業場で制作していた同大3年の女子学生(21)が、グラインダーという電動工具で鉄板を切断していたところ、火花が衣服に引火し、上半身に燃え広がった。
「女子学生は、水道のある場所まで自力でたどり着いて消火を行い、病院搬送時には意識があったものの、重度のやけどによる蘇生後脳症で30日に亡くなりました」(捜査関係者)
日本では、こうした着衣着火による死亡事故が毎年100件ほど発生。都内では着衣着火による火災が35件発生し、4人が亡くなっている(2018年度)。そのうち、7割以上が家庭のコンロで発生しているという。
■高齢者の死亡が多い
「着衣着火で亡くなる割合が高いのは高齢者です。火元近くに可燃物などのモノを置いていることが多いことや、また加齢によって素早い消火活動がしづらく、衣服に着火した場合、火が燃え広がって重症化しやすいためと考えられます」(総務省消防庁の担当者)