コロナ特効薬「モルヌピラビル」入手困難のナゼ…専門家も呆れる厚労省の“不手際”ぶり
すぐに使えるはずのコロナ特効薬「モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)」が使えず医療現場に不満と動揺が広がっている。
米メルクが開発し大手製薬会社MSD(本社・東京)が、昨年末に新型コロナウイルス感染症の治療薬として国から特例承認を受け製造販売している初の飲み薬だ。
本来ならとっくに一般流通し、重症患者の減少に寄与しているはずなのだが、実は厚生労働省が設けた流通の縛りで、医療機関も製剤薬局も入荷困難な状態が続いているのである。
現状、安定供給が難しいため一般流通は行わず、厚労省が所有し配分するとし、①薬剤の配分を受ける医療機関、製剤薬局は、都道府県と厚労省が薬剤の供給を委託したMSDの登録センターへの登録の義務②本剤は薬局が責任を持って患者宅に届ける③薬の発注は1回につき3人分まで──とする通達を医療機関、薬局に出しているのだ。
■異常な薬局への条件
事前に都道府県に登録しリストに掲載されていることが薬剤発注の必須条件になっているのだが、薬局への条件は異常だ。わだ内科クリニック(東京・練馬区)の和田眞紀夫院長が疑問を投げかける。