「陽性率」東京・大阪40%超えの異様 コロナ第6波は本当にピークアウトしているのか?

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「新型コロナの感染拡大は2月上旬にピークを越えた」──。政府の専門家からはこんな指摘が上がっている。確かに、17日の東京都の新規感染者は1万7864人と、前週の同じ曜日に比べて約1000人減少。前週の同じ曜日を下回るのは9日連続だ。しかし、「検査陽性率」は40%と異常な高さになっている。検査が追いつかず、実際の感染者はもっと多い可能性が高い。「ピークアウトした」と危機感を緩めるメッセージを出すのは時期尚早だ。

■“世界基準”は5%未満

 17日夜時点で、東京都の陽性率は40.2%、大阪府は43.0%。検査した2人に1人近くが陽性という異常な高水準だ。WHO(世界保健機関)は2020年、国や地域が感染を制御できていると判断する目安として、陽性率「5%未満」を基準と示している。

「アワー・ワールド・イン・データ」によると、英国は7%で、米国は12%と、“世界基準”の5%未満に近い。国全体で見ても陽性率45%の日本は、検査が追いついていないだけで、実際の感染者数はさらに多い恐れがある。

 果たして、本当にピークアウトしているのかどうか。

 実際、岩手県や福井県では17日、新規感染者数が過去最多を更新。感染者数を示すグラフは右肩上がりで、ピークに向かって駆け上がっているように見える。

 さらに北海道では、いったんは下がった新規感染者数が再拡大し、沖縄県も前週の同じ曜日と比べ微増した。

 東京都では17日、従来株より感染力が強いとみられているステルスオミクロン株の市中感染が初確認されたから、再拡大することも考えられる。

 島根県の丸山達也知事も、高すぎる陽性率に懸念を示している。15日の全国知事会のオンライン会合で、陽性率が30%以上となった地域が多数あるとのデータを示し、「感染者数の正確な把握ができていない。感染者数でピークアウトを判断できる状況ではない」と警鐘を鳴らしていた。

東京・大阪も死者が増え続けている

 しかも、死者数は増加の一途をたどっている。17日は過去最多の271人を記録し、3日連続で200人を突破。2月1~17日の死者は計2446人に上り、前月同時期(44人)の約56倍に跳ね上がった。

 大阪府の17日の死者数は、過去2番目に多い54人。丸山知事は、大阪の惨状を念頭に「緊急事態宣言を出すべき」と指摘していた。それでも吉村府知事は、政府への宣言発令要請を見送った。首都東京のトップ小池知事も宣言発令には消極的とされる。岸田首相も17日、17道府県の「まん延防止等重点措置」を延長する方針を示したが、より強いメッセージが必要ではないか。

 昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。

「新規感染者数が落ち着きつつあるのは、感染者数の増加に国民が不安を覚え、自主的に行動抑制した結果でしょう。政府のメッセージはほとんど響いていないように見えます。宣言や重点措置より重要なのは、ターゲットを絞った機動的な対応です。今は、子供から高齢者に感染が広がってきていることが大きな問題。子供たちに対し、短期間で強い行動制限をお願いすることが肝要です。『教育機会を奪うな』という指摘がありますが、命の方が大事なのは言うまでもありません。これは、政府の基本的対処方針の変更で実現可能でしょう。宣言や重点措置よりこうした対応を素早く取ることが重要です」

 岸田首相は「機動的に」と常々口にしているが、全然現実が伴っていない。

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