“プーチン大統領の手足”が裏切りの内部告発? ロシア情報機関員が訴えた衝撃の戦況

公開日: 更新日:

 ロシアのプーチン大統領の暴走を止める手だてはないのか。経済制裁は日ごとに強まっているが、ロシア軍はウクライナの首都キエフ陥落に向けて攻撃の手を緩めない。一方、プーチン大統領の手足である情報機関から「ウクライナ侵攻は完全に失敗に終わる」「ロシアは追い詰められている。勝利の選択肢はなく、敗北あるのみ」などと厳しい戦況を指摘する内部告発が飛び出し、衝撃が広がっている。

 告発の主は、プーチン大統領の古巣KGB(国家保安委員会)の後身組織FSB(連邦保安局)のアナリストとみられる。フランスに亡命したロシア出身の人権活動家がロシア語で1万2000字に及ぶ告発リポートをSNSで公開した。

■「戦争が起こるなんて誰も知らなかった」

 それによると、ロシア国防省は軍の犠牲者を498人(2日発表)としているが、「主要部隊からの連絡が途絶えて戦死者数は不明」。1万人規模に上る可能性があるという。FSBは侵攻失敗の責任を問われているが、何の注意喚起もなかったため制裁対処の準備を整えなかったとし、「一番大事なことは戦争が起こるなんて誰も知らなかったということ」とブチまけている。

「1~3日でゼレンスキー大統領を排除できたとしても、占領には50万人超の兵力と兵站が必要で非現実的」「傀儡政権のなり手もいない」「ロシア経済が崩壊する6月が区切り」とも指摘。「ロシア勝利リポートをまとめないと、仕事をしていないと疑われる」ため、的確な分析をまとめられないという。告発の真偽はどうなのか。軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこうみる。

「戦時中はこの手の文書が出回るものですが、これについては信憑性が高いのではないか。欧米側の戦況分析と類似しつつも、ロシア側しか知り得ない情報が要所要所に盛り込まれているからです。例えば、プーチン大統領の取り巻きとして知られるチェチェン共和国のカディロフ首長に関するくだり。ゼレンスキー大統領暗殺部隊を送り込んだものの、ウクライナ軍に撃退され、ロシア軍とも全面衝突寸前で正気を失っているとあります」

今後数週間は戦闘が激化か

 米議会で8日に証言したCIA長官は、プーチン大統領の戦略について「近代化したロシア軍が決定的勝利をすぐつかめると考えていた」「大統領選を控えるフランスや首相が交代したばかりのドイツがしっかり対応できず、制裁に耐えられると想定していた」などと、ミス連発を指摘。怒り狂うプーチン大統領の指示によって今後数週間は戦闘が激化するとの見方を示した。

 米シンクタンクが予測したキエフ総攻撃まで半日を切ったが、果たして……。 

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