阿武町が「誤送金」の9割を取り戻した舞台裏 決済代行業者が4300万円入金で急展開

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 山口県阿武町の“誤送金”問題が急展開である。誤送金した4630万円の9割が町に戻ってきた。

 町が誤って振り込んだ給付金4630万円の一部を使った容疑で逮捕された田口翔容疑者(24)は、「振り込まれた全額をネットカジノで使ってしまった」と話していたため、当初、誤送金した4630万円を取り戻すのは不可能だとみられていた。

 ところが20日、田口容疑者がネットカジノで遊ぶために使っていた3つの「決済代行業者」から、阿武町の口座に計約4300万円の入金があったという。

 24日会見した阿武町の花田憲彦町長が、「本日現在、合計で4299万3434円を法的に確保することができました」と明らかにした。

 田口容疑者は、3つの「決済代行業者」に、計約4300万円を出金し、他にデビット決済にも約340万円を出金していた。デビット決済分は回収できていないという。

 3つの「決済代行業者」が計約4300万円を阿武町に入金したのは、田口容疑者が税金を滞納していたのが原因だった。滞納された税金を徴収するために、阿武町の代理人弁護士が、3つの「決済代行業者」に対して、“税金の取り立て命令書”を届け、国税徴収法などに基づいて口座の差し押さえに動くと、3社から入金があったという。弁護士は「取り立ての権利が町にあった」と説明している。

なぜ決済代行業者はあっさり入金に応じたのか

 誤送金の9割が戻ってきたことで、この先、捜査はどうなるのか。どうして「決済代行業者」は、あっさり入金に応じたのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士がこう言う。

「ポイントは、決済代行業者の口座に田口容疑者が入金した4300万円のカネが残っていたのかどうかです。もし、残っていたのなら阿武町に返還するのは当然のことです。誤送金の経緯を知りながら、決済代行業者がカネを持ちつづけていたら、刑法の“盗品等関与罪”に問われる可能性があった。カネが残っていた場合、『カジノで全額使った』と話していた田口容疑者は、嘘をついてカネを隠匿しようとした疑いが強まり、刑法の“犯罪収益隠匿罪”に問われる可能性があります。逆に、口座にカネが残っていなかったのに入金したとしたら、決済代行業者は、警察に突っ込まれるのが嫌で、自腹を切ってでも一件落着にしたかったのでしょう」

 今ごろ3社は「事件に巻き込まれてしまった」「とんだトバッチリだ」と頭を抱えているかもしれない。

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