三枝成彰
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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

「美しい音楽は嫌われる」強烈なメッセージがなければ芸術ではない

公開日: 更新日:

 西洋人はメッセージと新しい試みのない音楽は評価しない。美しいだけの音楽は「甘いお菓子のよう」とさげすまれる。ラフマニノフやチャイコフスキーらロシアの作曲家の作品も、欧州では低評価。私たちの世代は「ハリウッド音楽のごとし」とも評し、今でも耳にする。

 日本の流行歌はほとんど恋の歌で、女性の失恋が多い。逆にラテンのアルゼンチン・タンゴやイタリアのカンツォーネに多いのは男性の失恋だ。

 西洋の流行歌は違う。メッセージがあるのだ。例えばジョン・レノンの「イマジン」。「国もなく 殺すことも死も必要ない 所有も強欲も飢餓もいらない 想像してごらん 皆が平和に生きる姿を」と歌いベトナム戦争をやめさせた。昨夏の東京五輪と今春の北京五輪の開会式でも「イマジン」が流れたが、過激な歌詞を恐れたのか、NHKは日本語字幕を出さなかった。

 原点はベートーベンだ。彼は2人の哲学者に影響された。「時代精神の反映なき表現は無意味」(ヘーゲル)であり、「音楽は感覚を刺激するのみで消える。諸芸術と比べて価値が低い」(カント)と。そして初めて音楽を「芸術」と位置付けたのだ。

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