物価高と年金支給年齢の引き上げで注目「リバースモーゲージ」ってなんだ?

公開日: 更新日:

 物価高が直撃しているが、とくに厳しいのが年金収入だけの高齢者世帯だろう。

「土地付きの一軒家を所有して住んでいるが、生活のための現金が足りない。でも家を売るのはいやだ」──そんな65歳以上の高齢者には「リバースモーゲージ」(逆の住宅ローン)という融資手段がある。土地付き一軒家を担保(根抵当)に入れてカネを借りて、死ぬまで自宅に住み続けることができる仕組みだ。日本の持ち家率は6割を超え、そのうち高齢者のいる世帯の持ち家率は8割を超える(2018年、総務省統計局)。サービス提供主体には公的団体と民間金融機関があるが、まずは公的サービスについて見てみよう。

■公的機関のリバースモーゲージ

不動産担保型生活資金」と呼ばれる公的リバースモーゲージは厚生労働省が創設した低所得の高齢者世帯向け制度。全国都道府県(市区町村)にある社会福祉協議会が運用している。

 全国一律の制度で、東京なら東京都社会福祉協議会が「不動産担保型生活資金貸付」を実施している。

 協議会の条件を参考にどのような人が融資を受けられるのか見てみよう(詳しい条件は別表に記載)。主なチェックポイントは次のような点だ。

□契約者や世帯員が原則65歳以上であり、世帯員の収入が区市町村民税非課税または均等割課税程度の低所得者世帯である(だいたい年収100万円程度の世帯)。

□家を所有して現住していて、売却はせず死ぬまで住み続ける予定。

□土地付き一戸建てでマンションではない(原則的に土地しか評価対象にならないため)。

□単身もしくは夫婦のみで住んでいる。

□融資は生活資金のためであり、事業や投資目的ではない。

□不動産に賃借権や抵当権など担保はついていない。

□土地の評価額がおおむね1500万円以上である(不動産鑑定は申込者の実費)。

 また、年間に収入(フロー)があるかどうかが審査基準になるので、高額の不動産(ストック)所有者も申請可能。

「9000万円の極度額を設定した申込者もいる」(首都圏の社会福祉協議会関係者)

 このような条件をもとに、社会福祉協議会やケースワーカーなどに相談をすることになる。 

■融資内容は

 融資内容は次のようなものだ。

・貸付限度額は土地評価額のおおむね70%。
・月額30万円以内で3カ月ごとに交付。
・貸付元利金が貸付限度額に達するまで交付される。
・貸し付け限度に達しても住み続けられる。利子は貸付限度額に加算されていく。利子は融資元金に毎年かかって積み上がり複利ではない。
・金利は年3%か長期プライムレート(22年9月時点の都市銀行基準で1.25%)で低い方なので、現状では長プラの年利1.25%。

 これを簡単なモデルで試算すると次のようになる。

 不動産評価が2000万円の土地の場合、その70%の1400万円が融資限度枠(根抵当上の極度額)になる。極度額はその額まで借りられるという意味。

 月額30万円だと(3カ月ごとに90万円の受け取り)、46カ月(=3年10カ月であまり20万円)の融資となる。

 月額10万円だと11年8カ月まで融資を受けられる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    TKO木本武宏“投資トラブル”関係者が不審死…首謀者が有名芸能人の娘と交際、被害額30億円超に拡大の噂

    TKO木本武宏“投資トラブル”関係者が不審死…首謀者が有名芸能人の娘と交際、被害額30億円超に拡大の噂

  2. 2
    加藤浩次の次は谷原章介がさようなら?「めざまし8」での“失言”が命取りになりかねない

    加藤浩次の次は谷原章介がさようなら?「めざまし8」での“失言”が命取りになりかねない

  3. 3
    「X JAPANはどうなる?」YOSHIKIの肩透かし“重大発表”にファンはガッカリ…

    「X JAPANはどうなる?」YOSHIKIの肩透かし“重大発表”にファンはガッカリ…

  4. 4
    奴隷根性の表れか、尊い行動か…W杯日本人サポーターの“ゴミ拾い”めぐりSNSで場外乱闘

    奴隷根性の表れか、尊い行動か…W杯日本人サポーターの“ゴミ拾い”めぐりSNSで場外乱闘

  5. 5
    「煽り」「乗っかり」「釣り」も不発に終わり…不登校YouTuberゆたぼんの今後をファン憂う

    「煽り」「乗っかり」「釣り」も不発に終わり…不登校YouTuberゆたぼんの今後をファン憂う

  1. 6
    総工費30億円・秋篠宮邸の改修コスト問題があがるが…“将来の皇太子”悠仁さまに引き継がれる妥当感

    総工費30億円・秋篠宮邸の改修コスト問題があがるが…“将来の皇太子”悠仁さまに引き継がれる妥当感

  2. 7
    SNSにあふれる団塊ジュニアの悲哀ツイート…「こんな世の中に誰がした」

    SNSにあふれる団塊ジュニアの悲哀ツイート…「こんな世の中に誰がした」

  3. 8
    「替え玉受験」横行する中で…京大卒・関西電力エリート会社員が目をつけられた理由

    「替え玉受験」横行する中で…京大卒・関西電力エリート会社員が目をつけられた理由

  4. 9
    ブラジルの英雄ネイマール“専売特許”過剰演技を封印!W杯の長すぎるロスタイムで世界が注目

    ブラジルの英雄ネイマール“専売特許”過剰演技を封印!W杯の長すぎるロスタイムで世界が注目

  5. 10
    前回大会も1次リーグで全滅…カタールW杯でも白星ゼロのアフリカ勢が精彩を欠く理由

    前回大会も1次リーグで全滅…カタールW杯でも白星ゼロのアフリカ勢が精彩を欠く理由