「10増10減」争奪戦で自民党の“内ゲバ”激化! 醜聞噴出でまだまだ続くか閣僚辞任
疑惑大臣の厳しい選挙区事情
複雑なのは、選挙区が増えればいいというものでもないことだ。18から20に増える神奈川県では、横浜市都筑区と川崎市宮前区で編成される新設19区が「火薬庫」と呼ばれるほど、地盤争いが過熱している。ここで都筑区を地盤にしているのが鈴木馨祐元財務副大臣(旧7区)、宮前区に支持者が多いのが山際前経済再生相(旧18区)だ。
「どちらが19区から出ることになるのか、まったく読めません。旧統一教会の問題とフザケた答弁で総スカンの山際ではなく、別の地方議員を担ごうとする勢力もある。新設区は、神奈川の選挙区を失った公明党も狙っています。相手を蹴落とすためにスキャンダルを探すのは昔からある手法で、しばらく怪文書が飛び交いそうです」(神奈川県政関係者)
区割り変更の影響を大きく受ける選挙区では、国会議員に連なる県議や市議、支援者らが激しいつばぜり合いを演じている。現職閣僚では、林外相や加藤厚労相も区割り問題の渦中にある。
山口県は長年、県政も市政も林派と安倍派が対立してきた。減区になって林氏が安倍元首相の地盤だった「新3区」の奪還を目指すが、安倍派地方議員の反発は激しい。
自民が全5選挙区を独占する岡山県も減区で、「新3区」の争いが苛烈を極める。ここを地盤とする自民現職は加藤氏と平沼赳夫元経産相の次男・正二郎、さらには比例選出の阿部俊子元外務副大臣と3人もいるのだ。
内ゲバがスキャンダルを呼び、辞任ドミノが続けば政権は崩壊の一途だ。