住民トラブル防ぐ「地域猫」お世話のコツ 避妊去勢された猫の“その後”を考える
猫型キャラクターの耳先をV字にカットしたテレビCMをご存じでしょうか。V字カットは避妊去勢した証しで、そうやって飼い主のいない野良猫を地域に戻し、数が増え過ぎないようにコントロールしつつ、エサや糞の掃除などを行って地域で管理する活動の象徴になっています。
その避妊去勢された猫が地域猫で、地域で地域猫を守る取り組みが地域猫活動です。日本動物愛護協会が、さまざまなメディアにCMを打ってPRしています。
前回、野良猫のうちメス猫が出産すると、メス猫同士がお互いに育児をサポートしながら、乳飲み子を育てていく話を紹介しました。実は、避妊去勢された地域猫は、出産した猫たちのコミュニティーには溶け込めないのです。
地域猫もメスは、多くが避妊されていないメスの野良猫の仲間に入れてもらえません。敵視されることもあります。同様に地域猫のオスは、非去勢の強いボスに追い出されます。
そうすると、サポートメンバーのヒトがきちんとエサをあげないと、どうなるでしょうか。病気や飢餓状態で早死にします。愛護センターの方とお話をすると、弱って収容される猫は、多くが耳のV字カットを受けているそうです。避妊去勢はしても、エサやりなどのサポートが不十分な現実を示しています。