著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

慶応・清原勝児と「VIVANT」福澤克雄監督をつなぐ“幼稚舎出身”以外の共通点 「塾高」に多い留年者

公開日: 更新日:

「こんな日が来るとは……ここ数日、興奮してまったく眠れない」と嬉しい悲鳴を上げるのは慶応大の文系教授。103年ぶりに夏の高校野球で決勝進出を決めた慶応義塾高校(通称「塾高」)のOBだ。

【写真】この記事の関連写真を見る(52枚)

「塾高といえば、高校入試の偏差値で神奈川県トップ、全国でも10位までに入る。慶応大への内部進学の道が約束されているのは何物にも代えがたい強み。こんな超難関校がスポーツでもトップを争うとは、これまでの常識を完全に覆した」(神奈川県の大手学習塾スタッフ)

 その原動力となったのは、2004年から始まった推薦入試制度。優秀な選手が野球部に入ってくるようになり、今回の成果につながった。「同制度の導入については反対も少なくなかった」と振り返るのは当時、慶応グループの最高意思決定機関「評議員会」で評議員を務めていた人物。

「スポーツ推薦のような仕組みを取り入れてしまったら、慶応の名をおとしめることになりはしないかと懸念する声が出てきたのです。したがって、もし入学させるのなら、学力をともなっていなければならない。他の生徒とは別のカリキュラムを組むような特別待遇もしてはならないといった条件をつけ、導入することになった」

 慶応大付属の小~高校は全部で9校ある。その代表的なコースが男子なら幼稚舎→普通部→塾高、女子なら幼稚舎→中等部→女子高だ。今回、甲子園に出場した中に、この道をたどっている選手がいる。往年の大スター清原和博氏の次男・勝児だ。出場機会は少ないが、ムードメーカーとして流れを塾高に引き寄せる役割を果たした。本来は3年生になっているはずだが、2年生としての出場だ。1年生の時、留年しているからだ。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾