熱燗やりながら店のお姉さんと昔話をしようと思ったら…

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銀座(中央区)

 謹賀新年。といってもこの原稿は昨年末に書いたものです。池波正太郎の銀座日記を読んでいたら、むくむくと銀座に行きたくなってきた。

 ただし、夜の銀座ではありません。そっちはもう卒業です。年末の昼下がりの銀座でうまいもん食って、一杯やろうと訪れたのだが、少々考えが甘かった。人でごった返しているのです。そりゃそうだ。

 でも、ここならすいているだろう、と向かったのが三州屋本店。銀座2丁目並木通りの路地奥にたたずむ名店。近年は銀座1丁目店や蒲田店が閉店を余儀なくされて寂しい限りだが、本店はまだまだ頑張っていて、間もなく創業から50年を迎える。

 この店は朝10時半から夜10時まで通し営業していて我々自由人にはありがたい。そんなわけで今回も昼3時ごろから楽しもうって寸法。昔はこの辺りに並木座があり、そこで日本映画の名作をよく見に来たな……なんてことを考えつつ歩いていたら三州屋に入る路地に行列が! しかも若いカップルが3組、女子だけのグループが2組。どうなってんだ。じたばたせずに、ここはおとなしく並ぶことに。普段の日は昼時においしい定食を求めて列をつくることはあっても、休日のこの時間はすいているはずだが……。やっとカウンターがあき、店内へ。席を用意してくれたいつも元気なお姉さんに「どうしちゃったの?」と水を向けると、「テレビに出ちゃったんですよ~」。なるほど。どうりで日ごろはサバの味噌煮やキンメの煮つけなんか食いそうもない男女が多いのか。

 実をいうと今日はイカフライ(980円)で中ナマ(680円)をやっつけ、あん肝(1200円)、このわた(650円)で白鶴辛口の熱燗2合をやりながらお姉さんと昔話でもしようって、そんな作戦だった。

 が、この混みようではゆっくりもしていられない。そのプランは次回にして、今日は小ナマ(480円)とキンメ煮つけ定食の鶏豆腐付き(1500円)をかっこんで早々に退散した。

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