著者のコラム一覧
鎌田實医師・作家

医師で作家の76歳。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任。30代で院長となり、地域包括ケアの先駆けに。チェルノブイリ、イラク、ウクライナへの国際医療支援、全国被災地支援にも力を注ぐ。現在、諏訪中央病院名誉院長。「がんばらない」「鎌田式健康手抜きごはん」(集英社)、「医師のぼくが50年かけてたどりついた 長生きかまた体操」(アスコム)など著書多数。

65歳を過ぎたらラーメン屋に行ったりかつ丼を食べるのも大切

公開日: 更新日:

「まごわやさしい」は低栄養の枯れた老人に

 その鎌田さんは「長生きの最大の敵のひとつは低栄養の問題」と指摘する。

「人は40歳を過ぎると毎年、1%ずつ筋肉が減っていくといわれています。そうなると怖いのがフレイルです。フレイルとは筋肉の衰えによって心身の働きが弱くなった虚弱の状態のこと。65歳以上の半分近くがフレイルやフレイル予備群、つまり筋肉に不安がある状態というデータもある。80歳を越してコンサートや旅行に行けないのは、お金より筋肉がなくなってしまうことが原因というケースが多いのです」

「まごわやさしい」という言葉がある。体のためには豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いもを食べなさいという古くからの教えだが、鎌田さんが推奨するのは「朝は来た、にぎやかだ」。あ(油)さ(魚)は(発酵食品)き(きのこ)た(卵)に(肉)ぎ(牛乳)や(野菜)か(海藻)だ(大豆)を積極的に取るのが良いのだという。

「まごわやさしいと、いかにも日本らしい食事を勧めているわけだけども、これだと高齢者のフレイル、低栄養になって枯れた老人になってしまいます。フレイル予防にはタンパク質、肉や魚や納豆やヨーグルトなどをしっかり取って、なおかつ油もいい。油はできたらいい油、オレイン酸の多いオリーブ油、α-リノレン酸の含まれるえごま油やアマニ油が良いのですが、65歳を越したら意識してラーメン屋に行ったり、かつ丼を食べたりすることも大切です」

▽鎌田實(かまた・みのる)医師で作家の75歳。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任。30代で院長となり、地域包括ケアの先駆けに。チェルノブイリ、イラク、ウクライナへの国際医療支援、全国被災地支援にも力を注ぐ。現在、諏訪中央病院名誉院長。「鎌田式『スクワット』と『かかと落とし』」「認知症にならない29の習慣」など著作多数。昨年11月には「医師のぼくが50年かけてたどりついた鎌田式長生き食事術」(アスコム)が発売された。

【連載】鎌田實 頑張らない食生活

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  2. 2

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  3. 3

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 4

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  5. 5

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  1. 6

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  2. 7

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  3. 8

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

  4. 9

    「イネカメムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

  5. 10

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」