「稼げる研究」優先の壁に阻まれ研究休止に…マンパワーの問題解消が再開の条件
「経済的波及効果。その点を疑問視されました」
近畿大学原子力研究所の一室で、所長の山西弘城氏は肩を落とした。
超微細な穴がたくさん開いた「多孔質体」の顆粒にトリチウム水を吸着させる──。新たなアイデアに取りかかった頃、山西氏が参加した近大と民間企業の研究チームは資金獲得のため、政府系の補助金を申請した。
文科省所管の国立研究開発法人「科学技術振興機構」の「A-STEP」という産学共同研究の支援プログラムを探し出し、応募した。しかし、審査の結果は不採択。補助金は拒まれてしまった。
「2020年8月に届いた通知には技術について『十分興味深い』と書かれてありましたけど、制度の趣旨からも致し方ない判断でしょう」
A-STEPは募集要項に〈研究成果の社会還元を目指す〉とうたうが、〈国民経済上重要な技術として実用化すること〉が大前提。要は「稼げる研究」以外は支援の対象にならないということ。国立大学法人法の「改悪」にも通じる「カネにならない研究はいらない」という政府の傲慢さの表れだ。
■関連記事
-
独身者5割時代へ あなたは結婚したい? 「あの人、もったいなかった…」ではもう遅い! 婚活男性を次々断る“ポイポイ婚活”女性の落とし穴
-
年金不安時代を生きるワーキングシニアの懊悩 ドヤ街「山谷」の憩いの場・玉姫公園で見た異様な光景 「倒れている人がいるのが当たり前」という“異世界”を目の当たりに
-
人生100年時代の歩き方 林真理子が語る70歳のたしなみ【後編】日大理事長を引き受けて「こんなはずじゃなかった」と苦笑いした理由
-
地名で分かる災害リスク (1)東京・杉並区を流れる善福寺川周辺にも、「アサ」「ツル」「カマ」は湿地、「エコ」は川の入江を示す水害地名
-
年金不安時代を生きるワーキングシニアの懊悩 これは「多死社会を先取りした街」の姿だ! 「地域全体が老人ホーム」になったドヤ街「山谷」で、オヤジさんたちがカラオケを楽しむ居酒屋に突撃してみた


















