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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

悠仁さま“トンボの論文”で東大推薦入学に動き出す…「手助けする人がいるのは公平か」の指摘

公開日: 更新日:

「皇室が東大を目指して悪いんですか?」。憤然と話すのは宮内庁OB。秋篠宮家の長男・悠仁さまが東大進学を視野に入れていることへの批判に怒っているのだ。悠仁さまは一昨年春、超進学校の筑波大付属高校(筑付高)に入学。東大がにわかに現実味を帯びてきた。だが、こうした動きは賛否両論を呼んだ。筑付高入学が一般入試ではなく、特別なルートを使ってのものだったからだ。

「想像以上に世間の反発が強く、庁内では秋篠宮家が東大を断念したという見方が出ていた」と宮内庁担当記者は振り返る。ところが、秋篠宮家の動きはさらにその上をいく。昨年11月、悠仁さまは以前から研究を続けていたトンボに関する論文を発表。再び、東大進学が浮上したのである。

 国立科学博物館の学術出版物に掲載されたもので、タイトルは「赤坂御用地のトンボ相」。お茶の水女子大付属小に入る前年の2012年から10年以上にわたって、悠仁さまは秋篠宮邸周辺に生息するトンボの調査に取り組んだという。論文は3人の連名で発表され、筆頭研究者は「秋篠宮悠仁」となっている。

「同博物館のホームページでも見ることができますが、25ページにも及ぶその論文は素人目にもかなりレベルが高いことがわかる」(担当記者)

 悠仁さまが同論文をこの時期に発表したことについては、「東大の推薦入学(学校推薦型選抜)への布石」(同)と見る向きが多い。16年度から導入された同制度は、まず高校の推薦を受けるところから始まる。東大に書類を提出し、そこでふるいにかけられ、面接試験、大学入学共通テストを経て、それらの総合評価によって合否が決められる。

 中でも重要なのが提出書類。高校時代の研究、実績、活動など、自身のアピールポイントを挙げていく。「ある分野で突出したものを持っている学生を求めている」と話すのは制度の策定に関わった東大教授。悠仁さまが東大への推薦入学を目指す場合、トンボの論文が提出されるのは間違いない。たまたまこの論文を目にしたという教授は「専門外なので軽はずみなことはいえないが、高校生とは思えない水準」と感想を述べる。

■第一人者との「共同執筆」の是非

 その一方で、「手助けする人がいるのは公平なのか」(予備校チューター)という声が少なくないのも事実。論文の共同執筆者の一人である国立科学博物館の清拓哉研究員はトンボ研究の第一人者だ。

「悠仁さまは、ずいぶん前から清氏の指導を受けてきた。それだけ熱心にトンボの研究に取り組んできたわけで、決して評価を下げるものではない。論文も他の2人のアドバイスを参考にしながら、悠仁さまが中心になって書き上げたと聞いている」(前出の宮内庁OB)

 東大推薦入試の出願期限は11月初旬。もし東大を選んだ場合、さまざまな議論が巻き起こるのは必至。わずか10カ月足らずの間に、秋篠宮家は大きな決断をしなければならない。

◆田中幾太郎の著書「名門校の真実」(1540円)日刊現代から好評発売中!

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