和田秀樹
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和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

私は我慢せず、好きなラーメンは週5回くらい食べ、好きなワインは毎晩飲んでいます

公開日: 更新日:

 私が勤めていた浴風会病院は、在院者の平均年齢が85歳という高齢者専門の総合病院です。病床数は当時300ほどで、毎年およそ200人が病院で亡くなります。

 高齢者専門の病院では風邪をこじらせて肺炎になったり、食事中に誤嚥したりして、ちょっとしたことで体調を崩し、亡くなることが珍しくありません。多くの死を目の当たりにしたことでもたらされた人生観が、「人間はしょせん死ぬものなんだ」というものです。

 一般の方にとって、いま元気で意識もハッキリしている高齢者が突然亡くなるイメージはわかないかもしれません。しかし、元気な高齢者でもちょっとした不調で体調を崩し、そこから風邪をこじらせると、残念な転帰を迎えることがあるのです。

 寝たきりだと、なおさらでしょう。高齢者の場合、きょう生きていることはとても幸せなことなんだということを思い知りました。そのときの経験から、「人間はどうせ死ぬんだから、人生は思う存分楽しもう」という思いが人生観の根底にできていったのです。

 それに加えて私は58歳になった年の正月早々、異常なのどの渇きで10分おきに水を飲まないといられなくなりました。体重は1カ月で5キロ落ち、血糖値は600㎎/デシリットルに上昇。医師なら、膵臓がん、しかも末期を疑いますから、「もう死ぬのか」と死を覚悟したのです。

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