ペットの療養食、サプリ、医薬品…横行するネット販売に思うこと

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 動物病院の経営は、診療報酬のほか、療養食や動物用サプリメントの販売、特定動物用医薬品(ノミやダニの駆除剤など)の販売などで成り立っています。その一つが欠けると、影響は大きいのです。

「たかが療養食でしょう」とは言えません。一部の動物用医薬品までネット販売されているのが現実です。春から夏にかけてよく使われるノミやダニの駆除剤では、ネット販売がかなり広がっています。見過ごせないのは、メーカーがネット販売できるタイプとできないタイプを用意して、事実上、ネット販売を黙認している点です。

■目安の安さより大切なこと

 先ごろ、ヒトでは、紅麹を用いたサプリで死亡事故が起きました。市販薬メーカーとはいえ、東証プライムに上場する大企業です。処方薬メーカーでの事故も、世界的にゼロではありません。サプリや医薬品は、用量や用法をきちんと守って使わないと、場合によっては取り返しのつかないことになるのです。

 ネット販売では、果たしてその安全性が担保されているでしょうか。目先の安さを追求して、大事なワンちゃんやネコちゃんに“万が一”のことがあったら、“仕方ない”で済ませられるのでしょうか。

 かかりつけの獣医さんにワンちゃんやネコちゃんの安全を守ってもらうことを考えれば、ネット販売との価格差はそれほど高いものではないと思うのですが……。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

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