著者のコラム一覧
内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(30)忘れられない「赤の思い出」…おめでたい出来事もタクシーの中では話は別

公開日: 更新日:

 鉄道ファンならご存じのはずだが、JR東海所属の「ドクターイエロー」が来年、引退するという。ファンの間では、引退を惜しむ声があるとテレビのワイドショーが伝えていた。調べてみると「新幹線電気軌道総合試験車」が正式名称だという。このドクターイエローを見た人には幸運が訪れるという言い伝えも有名だ。

 私が勤務する会社にも似たような話がある。会社が保有するタクシーの数は約4700台なのだが、その中にわずか7台だけ「ピンクタクシー」がある。とはいっても、車体がピンクというわけではなく、車体の屋根にある表示灯、通称「あんどん」の桜マークの色が通常は青あるいは金色なのだが、その名前の通りピンクなのだ。都内23区と三鷹市、武蔵野市の営業所限定で、ドライバーも「ゴールド乗務員」という選抜された人間にかぎられる。ちなみに私もゴールド乗務員ではあったが、私が所属する営業所にはこのピンクタクシーは配置されていなかった。私は運転したことはもちろんないし、見かけたことすら数回しかない。なにせ4700分の7だから、巡り合えたらラッキーということで、ドライバーは「お客さま、いいことがありますよ」と説明しながら乗車記念カードを手渡すことになっている。

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