袴田巌さん再審「無罪判決」追い続けたジャーナリストが公判を振り返る…「姉・秀子さんの涙に胸が熱くなった」

公開日: 更新日:

 1966年6月に静岡県清水市で起きた一家4人殺害事件をめぐり、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判。静岡地裁は先月26日、「袴田さんが犯人とは認められない」として、無罪判決を言い渡した。

 判決では、検察側が袴田さんを犯人だとする証拠としていた「取り調べ調書」「5点の衣類」「(袴田さんの実家から押収された5点の衣類の)素材の切れ端」などを捜査機関による捏造だと断定した。

 2007年から袴田さんの事件を取材し続け、著書に「袴田巖と世界一の姉 冤罪・袴田事件をめぐる人びとの願い」(花伝社)があるジャーナリストの粟野仁雄氏が判決公判について振り返る。

「私は一番前の席で判決公判を聞きましたが、裁判所が取り調べ調書は、警察と検察が“連携して作成した”。すなわち“グルだった”と断定したことに本当に驚きました。これまでも国家賠償訴訟などで裁判所から警察が断罪されることはありましたが、同じ法曹界のいわば“身内”である検察官の捜査における捏造を裁判所が断罪したケースは聞いたことがありません。そうした意味で裁判所は勇気のある決断を下したと思います」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  2. 2

    インフルエンザ早すぎる感染拡大のなぜ…11月から大流行、学級閉鎖は昨年同期比の12倍超

  3. 3

    クマ対応に忙殺される自治体職員のもう一つの悩み…現場を疲弊させるクレーマーからの“無理難題”

  4. 4

    9月19日から運用開始「スマホ保険証」はほぼ無意味…医療機関や患者を惑わす数々の“落とし穴”も

  5. 5

    マイナ大混乱に自治体・医療機関から悲鳴続出! 殺到するカード更新、「資格情報のお知らせ」で誤解受診も

  1. 6

    兵庫県百条委メンバーの前県議が死亡、ついに3人目の犠牲者…斎藤元彦県政「誹謗中傷」放置の罪深さ

  2. 7

    父親が持ち帰ったパルテノン神殿の“破片”は…ギリシャ最古の神殿の“歴史的遺産”だった!

  3. 8

    オーストラリアで絶滅危惧種の花に潜む“悪魔の蜂”を発見!世界が大注目

  4. 9

    クマ駆除の報酬はいくらが妥当? 北海道池田町は8万1300円、秋田県仙北市は日当のみの1000円

  5. 10

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明