袴田巌さん再審「無罪判決」追い続けたジャーナリストが公判を振り返る…「姉・秀子さんの涙に胸が熱くなった」

公開日: 更新日:

 1966年6月に静岡県清水市で起きた一家4人殺害事件をめぐり、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判。静岡地裁は先月26日、「袴田さんが犯人とは認められない」として、無罪判決を言い渡した。

 判決では、検察側が袴田さんを犯人だとする証拠としていた「取り調べ調書」「5点の衣類」「(袴田さんの実家から押収された5点の衣類の)素材の切れ端」などを捜査機関による捏造だと断定した。

 2007年から袴田さんの事件を取材し続け、著書に「袴田巖と世界一の姉 冤罪・袴田事件をめぐる人びとの願い」(花伝社)があるジャーナリストの粟野仁雄氏が判決公判について振り返る。

「私は一番前の席で判決公判を聞きましたが、裁判所が取り調べ調書は、警察と検察が“連携して作成した”。すなわち“グルだった”と断定したことに本当に驚きました。これまでも国家賠償訴訟などで裁判所から警察が断罪されることはありましたが、同じ法曹界のいわば“身内”である検察官の捜査における捏造を裁判所が断罪したケースは聞いたことがありません。そうした意味で裁判所は勇気のある決断を下したと思います」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?