著者のコラム一覧
内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(35)交通違反で捕まることはドライバーなら絶対避けるべきだが…悔しい出来事の一部始終

公開日: 更新日:

 白バイ隊員も仕事だから仕方がないのだが、真偽のほどはともかくとして「交通違反者はお客さま」と公言する白バイ隊員もいるし、「罰金は国庫の大きな収入源」などと言う人もいる。

 とはいえ、タクシードライバーにとっては、絶対に避けなければならないのが交通違反で捕まること。稼げる時間をムダにしてしまうし、なによりも罰金は自腹。だから、白バイが待ち受けるスポットはいつも頭に入れて運転しなければならない。

 白バイといえば、私にも悔しい出来事があった。場所は上野。国立博物館をはじめ、国立科学博物館、国立西洋美術館、上野の森美術館、東京都美術館や、東京文化会館などがこのエリアにあり、芸術の街でもある。ある日の午後、東京都美術館に無線配車で向かうと、着物姿の高齢の男性とそのお付きのような女性がクルマの到着を待っていた。数人の関係者に下にも置かぬ対応で丁寧に見送られる。見送る人の話では、その高齢の男性は有名な書道家とのこと。行き先は練馬方面。

 途中、その男性の様子がおかしくなった。お付きの女性が慌てて私に言う。「運転手さん、先生が具合悪いみたいなので急いでください」。私は自宅に向けて飛ばした。ある交差点に差し掛かったとき、信号の黄色から赤に変わりかけていることに気づいていたが、“ぎりぎりセーフ”と判断してアクセルを踏み込んだ。するとサイレンとともに白バイ隊員が追跡してきた。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明