乗り換えorプラン変更?通信料金見直しのツボ…ドコモ「ahamo」、Yモバが実質値下げ

公開日: 更新日:

スマホのキャリアはポイント経済圏と一致させる

 では、それぞれの使い方に合わせて、どうやってキャリアーを選ぶか。そのコツをITジャーナリストの井上トシユキ氏に聞いた。

楽天モバイルは低価格なプランでスマホ市場に参入し、契約者数は800万回線を突破し、増加ペースを増しています。当初、静観していた3大キャリアーも楽天の動きに合わせ、サブブランドを立ち上げて格安プランを用意しています。この流れから、楽天が打破したのは通信料金の価格体系のように見えるかもしれませんが、実はもっと大きな意味があります。『楽天経済圏』という言葉に象徴されるように、運営するポイントと結びつけたビジネスモデルです。ドコモやau、ソフトバンクが追いかけるのも、まさにそこ。ですから、ユーザーも一人一人が集約するポイントに合わせてスマホを選ぶことが合理的です」

 楽天は、オンラインショッピングモールの楽天市場で買い物をした見返りに楽天ポイントを提供している。その楽天ポイントはコード決済の楽天ペイやクレジットカードの楽天カード、さらに楽天銀行や楽天証券とも結びつく。その楽天経済圏で重要なポジションを握るのが楽天モバイルだ。いまやスマホは仕事やプライベートで言葉をかわすだけでなく、あらゆることができるから、それも当然だ。

 楽天と同様に、ドコモはdポイントを経済圏の軸に据え、auはPontaポイントで切り込みを図る。

 ソフトバンクはソフトバンクポイントを用意していたが、最近はコード決済のPayPayにシフトしていて、PayPayポイントへの切り替えを進めている。その3大キャリアーにもそれぞれクレジットカードや銀行、証券などがグループにある。

「たとえば、コード決済のPayPayはソフトバンクグループの一角ですから、ソフトバンクかサブブランドのYモバをチョイスするというのがポイント経済圏に合致したスマホ選びです。経済圏に外れたスマホを利用している人はキャリアーと経済圏を一致させるべきでしょう」

 では、通信量と料金の違いは、どう考えればいいか。ポイントのひとつは音声通話の必要性だ。

「通信容量30ギガで比較すると、Yモバで増量オプションを利用した場合の価格(8カ月目~)とアハモの価格はほぼ同じです。そこだけ見ると違いが分かりませんが、問題は音声通話の有無にあります。アハモは5分以内の国内通話無料が組み込まれるのに対し、Yモバは30秒あたり22円の従量制で通話するか、1回10分以内の通話がかけ放題になる定額オプション(月額880円)に加入することになります。音声通話をよく使う人にはこの違いは重要です。それぞれの通信料金に音声通話が含まれるかどうかは要注意です」

 その音声通話には、従来の電話のほかに、最近はLINEをはじめSNSにも音声通話機能が組み込まれている。どちらを使うかで事情は変わってくるという。

「SNSの音声通話はいまや仕事でもプライベートでも使用しますが、通話できるのはお互いが友達としてリンクしているのが条件です。名刺交換はしたけど、LINE交換はしていないという人とは通話できません。スマホを仕事で使用して音声通話もする場合は、音声通話を備えたプランがベターでしょう」

 その場合、楽天モバイルは有力な選択肢になるという。

「楽天モバイルは『楽天リンク』を用いての通話は何時間でも無料です。楽天は当初、通信エリアの狭さや品質の悪さが指摘されることもありましたが、かなり改善されていて、通信エリアの拡大とともに通話品質も向上しています。仕事やプライベートで長く音声通話をする人にはメリットです」

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  2. 2

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  3. 3

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  4. 4

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  5. 5

    マイナ大混乱に自治体・医療機関から悲鳴続出! 殺到するカード更新、「資格情報のお知らせ」で誤解受診も

  1. 6

    『続・続・最後から二番目の恋』小泉今日子&中井貴一が羨ましい…“生存確認”できる異性の友達を求める女性心理

  2. 7

    埼玉・八潮市の道路陥没事故で3カ月以上も安否不明…被害男性はなぜ「実名報道」されなかった?

  3. 8

    「腕は落とさず、血圧落とす」建設業界で囁かれる…笑えない令和の“上下関係”

  4. 9

    話題の"ドバイ案件"元アテンダーが語る"採用1%"「気に入られたら帰国できない」パーティーの実態

  5. 10

    (1)静かに顕在化する「不登校離職」の現実…子どものケアと仕事の両立が困難に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  2. 2

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  3. 3

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  4. 4

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    だから高市早苗は嫌われる…石破自民に「減税しないのはアホ」と皮肉批判で“後ろから撃つ女”の本領発揮

  2. 7

    中居正広氏vsフジテレビは法廷闘争で当事者が対峙の可能性も…紀藤正樹弁護士に聞いた

  3. 8

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  4. 9

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  5. 10

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及