著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

取り調べの録音・録画問題…本当に必要なのは、検察ではなく警察だ

公開日: 更新日:

 取調室で温かいカツ丼を食べさせてもらった被疑者が感涙し、ぽろりと真実を漏らすシーン。昭和ドラマではよくありました。しかし現実は、そんな人情味あふれる場面ばかりではありません。

 被疑者を「ガキだよね」「お子ちゃま」などと侮辱する検察官、「検察なめんな」と恫喝して特別公務員暴行陵虐罪で告発される検察官など、最近では検察官による不適正な取り調べが相次いで表面化し、社会の信頼を大きく揺るがしています。

 そこで最高検察庁が4月から導入するのが、在宅捜査事件への取り調べ録音・録画の拡大です。逮捕されず、自宅から捜査を受けに検察庁に来る被疑者についても、重要な供述が予想される場合や、取り調べの進め方が争点となりそうなケースを対象に録音・録画を試験的に始めるようです。

 裁判員裁判の導入以降、逮捕・勾留された容疑者については録音・録画が一般的になり、現在では義務付けられていない事件でも9割以上で録音・録画が実施されています。

 一方で、在宅事件の取り調べは見えない領域とされてきました。逮捕された後に私たちが弁護人の依頼を受けるケースでも、逮捕前に何度も何度も捜査機関に呼び付けられ、自白を取られてしまっているというケースも少なくありません。ですから、今回の最高検察庁の決断は一歩前進といえます。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘