東かがわ市立図書館(香川県)赤子から老人まで心地よく過ごせる工夫と仕掛けがたんまり
香川県の東端に位置する東かがわ市は、国内シェア9割を誇った「手袋の町」として知られ、人形劇専門の劇場やハマチ養殖の発祥地など、多彩な文化と産業を育んできた。
そんな地域の魅力をそっと支えているのが、JR高徳線・三本松駅の目と鼻の先にある東かがわ市立図書館だ。
2階に図書館のある複合施設「ひとの駅さんぼんまつ」は、2018年に市民が集える場として開設された。
「我々もそのコンセプトに基づき、赤ちゃんからご高齢の方まで、すべての世代が心地よく過ごせる空間となるよう努めています」と、広報も担当する図書館職員の多田さんはこう続ける。
「図書館は“本を読まなければならない場所”と思われがちですが、実際には調べものをするだけでなく、日常の中で一息ついたり、時には自分自身を見つめ直すための場所にもなり得ます。だからこそ、特に目的がなくても気軽に訪れてもらえるようにさまざまな工夫を重ねています」
その一例が、約11万冊の蔵書(開架約7万冊)の一部を利用してつくられた「くつろぎの部屋」。ここには雑誌約67種、コミック約6000冊がそろい、社会現象を巻き起こした「鬼滅の刃」から、懐かしの「ドラゴンボール」、手塚治虫作品まで、幅広いラインアップが魅力だ。
また、月に1度はボードゲームを楽しめる日も設けており、図書館をもっと身近に感じてもらえる仕掛けが随所にちりばめられている。
「ひとの駅」としての役割
机付きの席数は77(児童4席、車イス用閲覧席4席含む)とゆとりがあるのもうれしい。6席あるDVD視聴ブースはそれぞれソファ付きの半個室のため、じっくりと作品に浸ることができる。「まちの調べものの部屋」には約5600冊の地域資料を所蔵しており、香川県や東かがわ市を深く知りたい人にも最適な空間だ。
中でも市内外のさまざまな団体と連携して実施する「特集展示」は好評だという。
「たとえば毎年5月、東かがわ市観光協会さまが主催する写真コンテストの作品を展示する際は、その写真から着想を得た本を図書館職員がセレクトして並べています。特集展示は年間6回程度実施し、必ず関連する本と一緒に展示します。毎回楽しみに来てくださる方もいらっしゃるんですよ」(多田さん)
館内テラスには自動販売機が設置されており、フタ付きの飲み物なら持ち込みも可能。建物の3階には開放的な屋上展望スペースが広がり、晴れた日は気分転換にうってつけだ。
施設全体が、ただ「本のある場所」ではなく、暮らしにぬくもりを添える「ひとの駅」としての役割を果たしている。 (火曜掲載)
●住所 東かがわ市三本松1172-1(電0879-25-0696)
●開館時間 火~金曜:9~19時/土日祝:9~17時(休館日:月曜=祝日の場合は翌日、月末、年末年始、図書整理日)
●アクセス JR高徳線・三本松駅に隣接
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