女性の“性”は「下ネタ」なのか? タブー視する社会に言いたい、語り合うことで生まれる安心感

公開日: 更新日:
コクハク

週3~4回が49%という結果

 性の話題は「恥ずかしい」「隠すもの」とされがちですが、思い切って触れてみると、不思議と距離が縮まります。普段は口にしづらいテーマだからこそ、こちらから切り出すと相手も心を開きやすいのでしょう。今回はセルフプレジャーを語ることについて。


【解消されない夫婦のモヤモヤ】

 実際の調査でも、セルフプレジャーは決して特別なものではありません。女性向け性の悩み相談サービス「オトナのお悩み保健室」が女性100人を対象にしたアンケートでは、「未経験」と答えた人はわずか2%。最も多かったのは「週3〜4回」で49%という結果でした。

 また、所要時間は5〜15分が77%を占めており、時短でサクッと行っている人が多いようです。もちろん、どのような属性の人を対象にするかによって結果は変わると思います。

 それでもセルフプレジャーが決して特別なものではなく、多くの女性にとって日常的な習慣であることを示しているのではないでしょうか。

【読まれています】男性に聞きたい。自分よりずっと「若い女」と本気で付き合いたいんですか? 中年女の“やっかみ”と言われても

SNSで感じる“反響とズレ”

 私自身、SNSではプレジャーアイテムのレビューやレスの悩みについて発信しています。ショート動画の中には何百万回も再生されるものもあり、反響は大きいのですが、なぜかフォロワー数には直結しません。

 理由のひとつは、下心を持って興味本位で見ている男性が少なくないからだと思います。ただし意外にも女性からの視聴も多く、「自分だけじゃない」と共感を寄せてくれる声も増えています。

 しかし、「本当はフォローしたいけれど、家族や知人に知られるとまずいのでフォローできない」という声もよく届きます。テーマの性質上、オープンにフォローしづらい人が多いのも理由のひとつでしょう。

男性のリアクションに見えるギャップ

 一対一の会話でもSNSでも、男性の反応には大きな差があります。純粋に「なるほど」「知らなかった」と関心を寄せてくれる人もいれば、どうしても下心をにじませてしまう人もいる。

 こちらが真剣に語っても「性的な目」で見られてしまう瞬間があると、やはり壁を感じます。そうなるとこちらも心をシャットダウンし、踏み込んだ会話には広がりません。

 結局、“下ネタ”レベルの話で止まってしまうのです。

共有した瞬間に生まれる“親密さ”

 とはいえ、女性の性について自分の体験や考えを開示すると、相手との関係がぐっと近づく感覚があります。

 普段なら遠慮して触れられない話題だからこそ、「こんな話をしていいんだ」と安心感を持ってもらえるのかもしれません。

 言いにくい話題を共有することが、信頼関係を深めるきっかけになるのかな、と感じます。

 性を自然に語れる社会に少しずつ近づいているのは確かですが、“下心抜き”で受け止められるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

 それでも、共感してくれる女性が増えてきているのも事実。日常の会話でこうしたテーマを当たり前に話せる未来を願いつつ、発信を続けていきたいと思います。

(豆木メイ/フリーライター)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    竹内結子さん、石原さとみに立ちはだかった女優35歳限界説

  2. 2

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  3. 3

    巨人・岡本和真がビビる「やっぱりあと1年待ってくれ」…最終盤に調子を上げてきたワケ

  4. 4

    沢口靖子はまさに“奇跡のアラ環”!「2025年で『60歳』のお美しい女性有名人」圧倒的1位の原点

  5. 5

    視聴率トップ「モーニングショー」山口真由氏に続き…女性コメンテーター2人も"同時卒業"の背景と今後

  1. 6

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  2. 7

    山口真由氏「妊娠・休養」報道で人気を証明 復帰後に約束された「最強コメンテーター」の道

  3. 8

    杉田かおるが財閥創業者の孫との離婚で語ったこと

  4. 9

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  5. 10

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」