女子大学の社会的使命は終わったのか? 武庫川女子、鎌倉女子…経営状況がいい女子大の共学化の狙い
昭和の終わりに高校の先生が「女子大の共学化」を話題にしていた。もう40年も前から共学化の動きは始まっていたのである。私立大では当時珍しかった小学校教員養成課程を設けた文教大学が、立正女子大学の共学化で誕生したのもそのころである。また、熊本県立大、愛知県立大、静岡県立大、山口県立大などの有力県立次々と共学化したことで、地方の高校では受験指導のポイントにもなっていたようだ。
令和になってその動きは加速している。25年4月に西日本の神戸松蔭女子学院大は共学化して「神戸松蔭大学」に名称変更した。京都光華女子大(26年)、広島女学院大(27年)も共学化する予定だ。また、名古屋柳城女子大と京都ノートルダム女子大が、26年度以降の入学者募集をやめることを発表した。共学化とは別の選択をしたのである。
この夏にも神奈川の鎌倉女子大が29年度から男女共学化すると公表した。 大学入学者へのアンケートで志望動機が「女子大だから」と答えたのは平均3・8%とわずかであったという。今までも、志願状況は比較的好調で定員充足率も順調だ。学校経営の収支も黒字である。