分裂する米国のワクチン政策…州ごとに違う接種基準に混乱広がる
アメリカではコロナワクチンの接種基準が大きく変わり、州ごとにルールが異なることで混乱が広がっています。
アメリカではこれまで、疾病予防管理センター(CDC)と食品医薬品局(FDA)が、全国的な接種指針を示してきました。ところが、ワクチン懐疑論者として知られるケネディ保健福祉長官は、この基準を大きく変えようとしています。
まず、妊婦と健康な子どもへの定期的なコロナワクチンの接種推奨が、取りやめとなりました。さらにFDAは今季のワクチンを、65歳以上と特定の基礎疾患を持つ人に限定して承認。こうした政策変更には「科学的根拠が乏しい」と批判が集まっており、対象外となる人々が接種を受けにくくなる、または高額の自己負担を強いられるのではないかという懸念も出ています。
ただし、状況はまだ流動的です。独立した専門家による「予防接種諮問委員会(ACIP)」が、コロナを含む複数のワクチン推奨について、今後投票を行う予定だからです。
こうした混乱を受け、一部の州では独自の対応を始めています。カリフォルニア、ワシントン、オレゴン、ハワイの西海岸4州は「西海岸保健同盟(WCHA)」を結成し、協力してコロナワクチンを認可し、保険会社に費用負担を義務付ける方針を打ち出しました。