年間約7.6兆円もの経済損失を生む「イライラなどによるメンタル不調」の意外な解決法が、親鸞の教えにあった?
メンタル不調は、日本全体で年間約7.6兆円もの経済損失を生むと、横浜市立大や産業医大などの研究チームが研究結果を発表しました。
中でも、悩みのトップは「イライラ・怒り」という調査結果も多く、日経ヘルスの調べでは、なんと73.2%の女性がイライラ・怒りが悩みの種と回答しています。この問題は、判断力の低下、人間関係の悪化、健康被害など、イラ立ちは金銭だけでなく、心身にも多大な悪影響を与えています。今回、「10人の哲学者が教える ありのままでいる練習」(SBクリエイティブ)の著者で作家の筬島正夫氏が、イライラの解決法を紹介します。
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アンガーマネジメントが流行語になって長く経ちますが、「怒り」は人間永遠のテーマなのかもしれませんね。そこで今日は、問題解決のヒントをお届けします。
その内容とは、なんと「悪人ほど喧嘩にならない」というものです。まったく意外ですよね。そしてこれは、浄土真宗を明らかにした親鸞の教え「悪人正機」にヒントを得たものです。いったいどういうことでしょう。
私たちは通常、「悪人」と聞くと、好き放題に振る舞い、無責任で道徳を欠いた存在を思い浮かべます。しかし、親鸞が言う「悪人」とは、そういう意味ではありません。それは、自らの煩悩や欠点を認める人のことを指します。
そんな彼の思想の入門編となるエピソードをご紹介します。
ある町にA家とB家がありました。
A家の家族は、いつも喧嘩ばかりしていました。「私は正しい」「お前が間違っている」と言い争い、夫婦喧嘩や親子喧嘩が絶えません。
一方、B家はとても穏やかで、家族の仲が良いことで有名でした。
ある日、A家の主人がB家を訪ねました。「Bさん、うちは喧嘩ばかりで困っているんです。あなたの家はどうしてそんなに平和なんですか? 何か秘訣があるのですか?」
B家の主人はにっこり微笑んで答えました。
「おそらく、Aさんの家族はみんな善人だから喧嘩になるんじゃないでしょうか。うちは悪人ばかりなので、喧嘩にならないんですよ」
A家の主人は驚きました。「悪人ばかりだから喧嘩にならない? それはどういうことですか?」
その時、B家の奥からガシャーンと音がしました。誰かが皿を割ったのです。
A家の主人は身構えました。「これは大変なことになるぞ」と。なぜなら、A家で皿が割れたら、大騒ぎになるのが常だったからです。
「何をやっているんだ!」「気をつけろって言っただろう!」という具合です。
しかし、B家ではまったく違いました。
「すみません、お義母さん。このお皿、大事なものだったのに、私が悪いんです」
お嫁さんがこう謝ると、姑さんがフォローします。
「いいえ、あなたのせいじゃないわ。私が片付けておかなかったから悪いのよ」
すると夫がすかさず二人に向かって謝るのです。
「いや、私が買ったお皿なのに、管理が悪かったんだ。私が悪い」
A家の主人は、それを見て愕然としました。
「なるほど。うちは、みんな『自分が正しい』と思っているから喧嘩になるんだ。B家は、『自分も悪いかもしれない』と思うから、喧嘩にならないのか」
















