著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

公開日: 更新日:

年金生活者には痛い「墓の維持費」年間2万円

 Iさんの母親は、今年90歳で亡くなった。この母親には財産と呼べるようなものはほとんど残されておらず、死ぬまでに半年ほど入居していた老人施設の費用は、母親の年金で賄われていた。母親は死後、Iさんの父親が眠る東京近郊にある霊園に葬られた。

 そして埋葬から一ヶ月ほどしたある日、この霊園からIさんの元に一通の郵便が届いたのだ。

「いや、墓の承継者がどうのこうのと書かれているんですよ」

 郵便には、これまで墓の承継者であったIさんの母親が亡くなったため、次の承継者を決めて欲しいということが書かれていた。この墓の維持費は毎年2万円かかり、その支払いを誰がしていくのかという問い合わせである。

「俺が毎年2万円払わなくちゃいけないんですかね」

 常にお金に困っているIさんは当惑の表情を浮かべている。独身で親戚づきあいも皆無のIさんには、この問題を話し合える人もいないのである。

「実は姉ちゃんもいるけど、もう絶縁状態で。連絡先すらわかんないんです」

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