著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

公開日: 更新日:

急増する「墓じまい」

 少子高齢化に伴い、「墓じまい」を検討するシニアは急増している。

 墓じまいに関する公式データはないが、「令和6年度 衛生行政報告例(厚生労働省)」によれば、一度埋葬した遺骨の場所を変更する「改葬」の件数は2024年におよそ18万件にのぼり、10年前と比較すると2倍近くに急増している。

 しかし、「墓じまい」するにはまとまったお金がかかる。

 まず菩提寺が管理する墓を閉じる場合、檀家を離れるための数十万円程度の「離檀料」を請求されることがある。ただ「離檀料の支払い」に法的な根拠はなく、お布施と同じように自由裁量で払うものだ。しかし、寺から高額な離檀料を請求されて苦悩し、墓じまいを断念したり、寺とモメたりするケースもある。

 また墓じまいは墓石を撤去しなければならず、それにもお金がかかる。Iさんが契約している霊園に問い合わせてみたところ、墓石の撤去は墓石屋に頼むが、撤去と石の処分費用に最低でも30万円程度はかかるのではないかという回答だった。

「そんな金はねえなあー」

 そう嘆くIさん。さらに墓じまいをした場合、「墓に眠る遺骨をどうするか」という問題がある。これが費用以上に悩ましいのだ。

(後編に続く)

【連載】年金不安時代を生きるワーキングシニアの懊悩

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