【地震の新常識 前編】「地震!火を消せ」はなぜ変わった? いま警戒すべき“新たな火元”
ただし、感震ブレーカーも設置さえすればいいわけではない。
「夜中に作動すれば、突然真っ暗になります。感震ライトや懐中電灯など、明かりを確保する準備も必要です。分電盤が高い位置にある家庭では、踏み台を用意するなど電気を復旧させるときのことも考えておかなければなりません」(阿部氏)
特に在宅医療で電源を必要とする機器を使用している家庭では、停電そのものが大きなリスクになる。非常用電源など、家庭の事情に応じた備えが必要だ。
さらに、かつての家庭にはほとんどなかった火災リスクがある。モバイルバッテリーなどに使われるリチウムイオン電池だ。
東京消防庁の「令和7年版 火災の実態」によると、リチウムイオン電池関連の火災は2015年の26件から24年には243件となり、10年間で約9.3倍に増えた。強い衝撃や圧力などによって内部が損傷すると発火する恐れがあり、地震で落下したり、家具などに押しつぶされたりするケースも想定しておく必要がある。
「もっとも、地震後の火災では、出火原因が分からないものも少なくありません。電気火災の場合はショート痕などの証拠が残りやすい一方、ほかの原因では焼損によって証拠が失われる場合もあります。地震火災を防ぐには、整理整頓したり、古い機器は交換したり、建物を耐震化したりと、一般的な火災予防と同じ対策をしておくことが大切です」(阿部氏)

















