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セリナ
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セリナ

1987年、長野県出身。私立トップの有名大卒。デリヘル「ロボットデリヘル」所属。歌舞伎町ナンバーワン風俗嬢。子宮がんが肺とリンパ節に転移し、現在ステージ3を闘病中。

<10>結婚で辞めるはずの風俗に出戻り

 結婚したことも家庭を持ったこともないまま、がんになってしまった。もうこれからかなうことはないかもしれないと思うと、過去に婚約していたことを思い出す。キャンパスで出会った同級生。4年の時、卒業したら一緒に住んで結婚しようと決めた。風俗も辞めた。特定の交際相手がいるのに体を売るのは申し訳ないと思った。

 大学院に進学するつもりだったけれど、それもやめた。転勤の多い彼についていって、なにか風俗以外の仕事をみつけるつもりだった。卒業するとき、憧れていた教授は「男のことから離れて、女でいなくてもよくなったら、またおいで」と言った。この予言じみた言葉通りに今なりつつある。

 卒業と同時に新居を探し、交通アクセスのいい秋葉原に物件を借りた。当時はAKBなどアイドルブームの真っただ中で、秋葉原は右を向いても左を向いてもアイドルやメイドの広告でいっぱい。アニメやコスプレが好きだった私も、初めてのアルバイトにメイド喫茶を選んだ。駅前でビラ配りをして、踊りを覚えた。その踊りが下手すぎてネットで叩かれたのも今は懐かしい。メイド喫茶でダンスをすることは知っていたのに、自分が跳び箱すらまともに跳べないことを忘れていたのだ。

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