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セリナ
著者のコラム一覧
セリナ

1987年、長野県出身。私立トップの有名大卒。デリヘル「ロボットデリヘル」所属。歌舞伎町ナンバーワン風俗嬢。子宮がんが肺とリンパ節に転移し、現在ステージ3を闘病中。

<13>仏さまは地獄に落ちて初めて見える

 私が進行がんにかかっていると店のオーナー兼店長に打ち明けた時の事を思い出している。オーナーと私は2015年8月15日にロボットデリヘルを立ち上げた。

 たまたまだけど終戦記念日だったから、よく覚えている。オーナーは同年代で、この数年前に知り合い意気投合した。彼は三度の飯と同じくらい風俗が好きで、当時は毎日酒を飲んでは風俗へ通っていた。

「もっと気を使わずに遊べる風俗があったら、せめて嬢と喋るか喋らないか選べたらいいのに」なんて、くだを巻いていた。まったく気の小さい男だ。お金を払っているのだから、好きなように遊べば良いのに、いつも相手に気を使ってしまう。SMクラブで散々ひどい事を女の子にしたって全然満たされない。そういうところにいつの間に仲間意識が芽生えてしまった。

 そして立ち上げから看板キャストとして、ほぼ毎日働いて1年と少し経ったときだ。お店も何となく軌道に乗り、様々なメディアにも取り上げてもらい、さあこれからというタイミングで、がんが分かった。がんに良いタイミングなんて無いが、あまりにもタイミングが悪くて数日間言い出せなかった。考えに考えた結果何も思いつかず、結局ぶっつけ本番、事務所でピコピコ野球のゲームに熱中している彼に、軽いノリを装って言った。

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