「幻の東京五輪」が繰り返される危険性

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 安倍首相へのおべんちゃらなのか、自分が目立つための方便なのか。慶大教授の竹中平蔵氏が、今月発売の月刊誌で「アベノリンピックこそ日本の活路」と書いている。アベノミクス東京五輪を掛け合わせた造語を使って、バラ色の未来が来るかのように主張しているのだ。

 竹中氏が所長を務める研究所は、「19.4兆円の経済効果がある」と試算しているらしい。「7年で3兆円」とする東京都試算のざっと7倍。整備されるインフラや雇用、消費への効果を過大に評価し、水増ししたようだ。前提となる条件を変え、数字を大きく見せるのは、政府や与党がよくやる手口である。大臣までやった竹中氏なら、鉛筆ナメナメで効果を膨らますことぐらい、お手のものだろう。

 むろん、こんな数字にさしたる意味はない。うのみにする人も少ないだろう。それよりも問題は、「アベノリンピック」なるものが、本当に実現するのかどうかである。アベノミクスの基礎となる「異次元の緩和」で儲かったのは一部の輸出企業だ。中小、零細企業は円安によるコスト増に苦しめられている。雇用の改善も見られない。増えているのは非正規社員ばかりである。

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