巨額賠償に発展か 東洋ゴムに「第2の耐震偽装事件」の声も

公開日: 更新日:

「第2の耐震偽装事件に発展するんじゃないか」――。そんな声が早くも漏れ始めた。

 東洋ゴム工業による建築用免震材料データの改竄問題。国交省は17日、兵庫県内の同社工場を立ち入り調査し、製造工程や改ざんに至った経緯を確認した。

 国交省によると、国の性能基準を満たさない免震ゴム装置が使われていたのは、全国18都府県にある庁舎やマンションなど55棟。免震ゴム装置はゴム部分の取り替えを前提につくられているため、今すぐ建物の危険性に直結するわけではない。問題があった場合は「建物をジャッキアップしてゴム部分を交換する」(東洋ゴム工業広報企画部)という。

 鉄筋の数などが意図的に減らされ、倒壊の危険性があるとして解体されるマンションが続出した05年の「耐震偽装事件」とは悪質さの度合いが異なるようだが、それでも問題はジワジワ広がりそうだ。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がこう言う。

「免震ゴム装置というのは高層のタワーマンションなどに使われるため、関係する世帯・住民が多いのです。耐震装置は建物の基本構造部分ですから、問題があれば住民はディベロッパーに対し瑕疵担保責任を求め、ディベロッパーは東洋ゴム側に損害賠償を求めることになる。また、耐震性に問題がなくても『いわく付き』の物件となれば資産価値が下がりかねず、やはり、住民が補償を求める可能性が出てきます。いずれにしても問題は長引くと思います」

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