小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

西武信用金庫に業務改善命令 消えた“落合マジック”の果て

公開日: 更新日:

 独自の積極経営で増収増益を続け「信金界の麒麟児」ともてはやされた西武信金(本部・東京都中野区)に5月24日、金融庁の業務改善命令が出された。反社勢力と疑われる相手への融資や不動産投資向け融資で業者の書類改竄を見抜けず貸し出しを行っていた事例が多数見つかったからだ。このためカリスマ経営者と名高かった落合寛司理事長を含む理事3人が引責辞任した。

 西武信金は東京都、神奈川県、埼玉県に店舗展開する、預金残高約2兆円、貸出残高1兆6000億円超の大手信金。落合氏が理事長に昇格して以降、体育会系のイケイケ路線で業容を急拡大させて話題を集めた。

 同金庫の貸出残高は、落合氏が理事長に就任した2010年度以降、急カーブを描いて増え続け、17年度までに7700億円も増加した。過去10年で貸出残高が約2倍になった格好だ。預金に占める貸し出しの割合(預貸率)は85%を超えていた。信金業界の平均預貸率は50%程度。他信金が貸し出しに苦慮する中、その手腕は“落合マジック”と呼ばれた。また、落合氏は「職員の給与を日本一にする」と豪語し、自身も年収8000万円前後とメガバンクトップ並みの報酬を手にしていた。

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