株より安定? 腕に巻く資産「ロレックス長者」誕生の背景
10年ほど前のリーマン・ショックで、株で大きな損失を出した40代のCさん。手持ち資金が激減する中、その直後に株ではなく、スイスの高級腕時計ロレックスのビンテージを中心に10本ほど購入した。普段使いできる上に、株のように3分の1や4分の1になったりすることがないと思ったからだ。
その後、世界的な金融緩和で、ロレックスの価格は大きく上昇。昨年、Cさんは手持ちのロレックスをいくつか売却。ほぼすべてが購入時から2倍ほど上がっていたという。ここ20年ほどでロレックスの価格は大きく上昇している。ロレックスなどを中心に扱う東京・銀座の高級腕時計専門店「コミット銀座」の金子剛さんによると
「中心客層は30~50代の男性ですが、多くのお客さまが購入時よりも値上がりしている状態です。値上がり幅が特に大きいのがクロノグラフ(ストップウオッチなどの機能)のあるデイトナで、正規店で新品が手に入りづらい状況です。価格は118万円(税別)ほどですが、ステンレス素材の白文字盤のモデルが中古で250万~270万円、新品未使用で290万円前後で取引されています」。