2050年温室効果ガス排出ゼロ 日本は現状ままで達成可能?
2007年5月24日、国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会で、安倍総理(当時)は「美しい星50(クールアース50)」を提案した。全世界の共通目標として「世界全体の温室効果ガスの排出量を現状に比べて2050年までに半減する」という長期目標の提案だ。その達成のために電気自動車(EV)など次世代自動車の普及にも言及した。
菅総理は、臨時国会の所信表明演説で「2050年までに国内の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」と宣言した。「パリ協定」から脱退し地球温暖化を認めないトランプ米大統領の敗戦を見越し、「パリ協定」即時復帰、「50年までに実質ゼロ」を公約するバイデン・菅関係構築の地ならしに動いたようだ。「新・美しい星50」だ。
国際エネルギー機関(IEA)は10月の報告書で、2050年に世界の温暖化ガス排出を実質ゼロにするために30年までに必要な措置として、30年の乗用車販売の半分以上をEVにするとした。欧州連合(EU)など約120カ国は50年までに実質ゼロを目指しているが、EUは30年までに1990年比で温暖化ガス40%削減を目標とした。