不動産業界にデジタル化の波 電子契約の普及で何が変わる
ハンコの廃止は序章にすぎない
菅政権の目玉政策の1つが各省庁を横断してデジタル化を進めるデジタル庁の創設だが、早速、行政手続きでのハンコ使用の廃止が進められるという。デジタルトランスフォーメーション(DX)の波は、さまざまな業界にも広がろうとしている。
その1つが不動産業界。9月から11月までの3カ月間、マンスリーマンションにおける非対面での電子契約の実証実験が行われている。これをきっかけに、今後、オフィスや住居の賃貸物件の電子契約化は進むのか。
この実証実験を行っているgooddaysホールディングス(東証マザーズ上場)の小野誠人さんに話を聞いた。
「今回、借地借家法38条にもとづく書面で、契約しなくてはいけない定期建物賃貸借契約を電子的手段で行った場合でも、賃借人の利益が損なわれることがないこと、そして、紙やハンコがなくても契約が成立することを確認する実証実験をしています。マンスリーマンションの場合、通常の賃貸物件に比べると、物件の内覧をせずに写真を見て契約することが多い傾向にありました。ただ、通常1カ月、長くても3カ月単位で契約を締結し直すことが多いので、長期利用の場合、その都度、手間がかかっていたのです。ですので、マンスリーマンションは特にオンラインでの契約に適していました」